月曜日, 12月 29, 2008

堆肥作り

 今年も最後の作業は 堆肥作りです。

不特定多数の人が 次々と土地を借りて使う菜園では 土作りが最重点課題になります。
 従って 家庭菜園を初めた時から 良質な堆肥をたっぷりと土に入れることを心がけてきました。
 そのために 手に入り易い公園の落葉と 古畳を解体して得られる藁切れを主材料とし 近くのJAや米屋で買える乾燥鶏糞と米糠を加えて 「バイムフード」を醗酵促進剤にして 短期間で良質な醗酵堆肥を作って来ました。
 当初は 仲間3名で1m×2mの大きな枠をコンパネで作り その中で堆肥作りをしました。

 今年は 1名分で畑も少なくなり 車での持ち運びも簡単にできる 小さな組み立て式の木枠を新設しました。
 写真のブルーシートを掛けた木枠がそれです。 大きさは 内寸の1辺が約75cmの立方です。 
 更に当初から変わった点は 世の中が乾燥鶏糞から醗酵済鶏糞に変わり JAでは乾燥鶏糞の入手が困難になりました 醗酵済では堆肥の醗酵を促す窒素源にはなりませんので鶏糞を堆肥作りに混入す事を止めました。
 また 藁を芯にした畳を敷いた家が減り 古畳の入手も困難になりましたので 落葉と米糠と促進剤だけで堆肥作りをしています。
 それぞれの割合は ケヤキの落葉を南京袋にギュウギュウ詰めにして2袋と クヌギの落葉を同じく1袋半に 米糠20kg バイムフード0.5kgです。
 積み込みの仕方は 下記の切り返し作業手順と同じです。
 3日目には醗酵温度は45℃に上昇 順調に醗酵が進んでいることを確認しました。 その後4〜5日で次の行程の切り返しをする予定でしたが 雨の日と強風の日が続いた為に 積み込み後10日目に第1回の切り返しをしました。(中心部の温度は60℃前後でした) 

さて 堆肥切返しの目的は 醗酵熱によって蒸発した水分の補給と コチコチに固まった落葉の塊をバラして 好気性菌のために空気を入れること 菌のエサになる米糠を加えることと 枠の中央と端 上と下 の醗酵を均一にするため 全落葉の場所替えを 一気に行うことです。
 3メートル角のブルーシートを広げ 木枠内の上部から順次取り出します。 その過程で 乾燥の進んでいる部分には ジョロで水を掛けながら 枠内の落葉を全部取り出します。
 積み込みは 取り出しとは逆に 上にあったものを 一番下に 端にあった物を中央に入れて 水を掛けながら(押え付け無いで)表面を均し 落葉に米糠をまぶします。 落葉を大箕で山盛り2杯入れると まぶした米糠に 醗酵素を一掴み 均一に振り掛けます これで一段の積込みが完成です。(途中で乾いている所には こまめに水を掛けます)
 この作業を6回繰り返すと 落葉は全部枠に納まり 枠の7〜8分目の高さ迄なります。 落葉の最上部にはゴザを広げて覆い 水分の発散を防ぎます。 写真は 5段目迄積み込んだところです。
 
 自然状態で 落葉が腐葉土になるには一年程かかりますが この醗酵素を使った促成落葉堆肥は 4〜5回の切り返しで完熟堆肥になり 3月からの夏野菜の土作りに 間に合います。
 更に この堆肥には 米糠を醗酵させた 良質の有機肥料分がしっかり 含まれていますので トマト・胡瓜・ナス 等の元肥として 過リン酸石灰を混ぜ込んで施します。 秋にトマトや胡瓜の片付けをする時に トマトや胡瓜の根が堆肥を入れた所に密集して張り巡らされている のを見てもその効果の程が解ります。
 また この落葉堆肥を作るポイントの一つに落葉を濡らす水の量があります。 解説書によると『水を掛けた落葉を強く握り 指の間から水が滲み出る程度』とありますが 落葉自体の水分の状態が均一ではないので 経験で習うより法は無いようです。

 この一年間も 有意義なお交わりを頂き 有り難う御座居ました。 来年も 変わりませず 宜しくお願い致します。 
 どうぞ 佳いお年をお迎えになられますよう お祈り申し上げます。

火曜日, 12月 23, 2008

開墾地の作物 その3

 開墾地の3つ目の畝には マルチと防虫網のトンネルを張って かねて育ててあった カラシナと カキナの苗を定植しました。

ちりめん葉からし菜は 葉が独得のカール状をしていて 葉にボリューム感があります。
 漬物で 2日目ぐらいの浅漬けで戴くのが最高です。 このところ毎冬 この からし菜の漬物は欠かすことがありません。 
 名前の通り カラシナの風味があり 鷹の爪と一緒に漬けると更にピリッとした食感が生きて来ます。
 また 1〜2日の浅漬けは 濃い緑色が際立って 見た目にも 冬の食卓を引き立てます。

 もともとは 東北の雪の少ない太平洋側の冬野菜の様ですが 東京でも 真冬の寒波に当たると 葉の色が悪くなるので 例年は9月初めに種を蒔き 11月の後半頃から 順次 大きくなった葉を摘み取って収穫し 12月の寒波がくると 穴空きの防寒フイルムのトンネルを掛けながら 春 花芽が出るまで 葉を摘み取って漬けています。
 今回 この開墾地は11月からの使用になりましたので 面倒ですが 10/20にポットに蒔いて時間を稼ぎ 開墾地の土作りが終わった11月の中頃にここに定植したものです。 その後 中耕とボカシ肥での追肥・土寄せをしました。
 まだ ご覧の通りの葉 ですから 摘み取るには小さ過ぎます。 もうしばらく お漬物は おあずけです。

カラシナと同じ畝に このカキナを4株植えてあります。
 関西育ちの私は こちらに来て 農園で 初めてカキナを知りました。
 厳しい冬を耐え忍ぶカキナは 春に咲く花芽を付けようと 寒い時期から脇芽を伸ばしだします。 ですから その脇芽は柔らかく 独得の風味を持っています。 春を呼ぶ食材の一つとして 毎年 作り続けて 我が菜園の 冬野菜の定番になっています。
 例年は7月中に種を蒔いて 株を大きく育て 脇芽が付く葉枝の数を増やして年を越すパターンでした。 ところが今年は 11月にならないと植える場所が無いので 12cmのポットで株を育てられる限界を見計らって 9月に入ってそのポットに種を蒔き 株を育てて ここに定植しました。
 株が根付いた後 開墾地の土を馴染ませるために 根の周りを中耕して ボカシ肥で追肥をして 土寄せをしました。
 スタートは遅れましたが 陽当たりのいい この農園や 比較的暖かい日が多かったことや 防虫網トンネルを掛けてあったこと等の効あって 例年に比べて株は小さいが 脇芽の中には 既に 3~5cm ほどに伸びているのが見えます。
 年が明けると 春を呼ぶカキナの風味を味わえる 予感が嬉しいです。 

金曜日, 12月 19, 2008

西洋ネギの収穫


ネギの美味しい時期になりましたので
 初めて作った 西洋ネギを掘り上げてみました。
 白い部分の長さは30cm程あり 太さもまずまずでした。

 早速 2皿にして試食してみました。
 先ず 西洋ネギを4~5cm に切り バターを溶かし 弱火でじっくり火を入れました。
 1品は それにチキンスープを加えて 温め 塩・胡椒で味を整えた スープに。
 もう1品は ホワイトソースをかけ チーズをふって グラタンで戴きました。
 次回は 白ワインで火を入れて スープや煮込みで試してみようと思っています。
 なお 切り落した緑の葉は 繊維が硬くて食べられませんが スープストックなどに使われるので 置いてあります。 

右の写真は 11/17 ここにアップした時の写真です。
 その時にも書きましたが 春の種蒔き以降 九条ネギと同じ要領で世話をして来ました。

 ここで 両者を比較しながら 総括してみますと 梅雨明け頃に 九条ネギが罹り易い 赤さび病の心配は無要でした。 また 虫の害も 幼苗期には ネキリムシに食い倒されたのが 何株か有りましたが それ以降は 葉が硬い為か アブラムシ等も付きません。
 そう言う意味では 育て易いネギです。 
 さらに 7月に 仮植えをして 9月に本植えするケースと 7月に本植えし終えるケースと比較してみましたが 両者の間には 確たる違いは見られませんでした。
 西洋ネギは 暑い間は 九条ネギに比べて 生長が遅く 涼しくなると 急に大きくなる様に思います。 従って しっかりした大きな苗を7月に定植して 夏過ぎからの追肥・土寄せを 重点的に行うのがよさそうです。 

日曜日, 12月 14, 2008

開墾地のソラマメとスナップ

前回掲載しました開墾地の残りにも 小松菜・ホウレンソウの畝と同じように 堆肥や腐葉土と有機物の肥料をタップリと施し 土を3回耕して菜園用の土に仕上げ もう2本 畝を作りました。
 小松菜・ホウレンソウの隣の畝には ソラマメとスナップエンドウを植えました。

 写真のソラマメは11月5日頃に 1晩水に浸置いた種を 1ポット 2粒づつ 5ポットに浅く蒔きました。 
 4〜5日目ぐらいから 種が動き 1週間で発芽しました。
 ソラマメは 本葉2枚目ぐらいの 幼苗の方が寒さには強いと聞いています。
 家に置いておくと どうしても過保護になり 苗が徒長するので 本葉2枚の時に 畝に黒マルチを張って 株間40cmで定植し 防虫網のトンネルを掛けました。
 朝晩の気温が下がり 農園の通路等は真っ白に霜が降りるようになっても ソラマメは 背丈が伸び 支柱も建てました。
 ご覧の通り 脇芽も見えて来ました。 今年も寒さ対策に 穴空きフィルムを被せることになりそうです。
 また ソラマメの天敵アブラムシに備えて 防虫網のトンネルは必需品です ソラマメの生長に合わせてトンネルの高さを変える前提でセットしました。

 スナップエンドウもソラマメと同じ日に蒔きました。
 こちらは5年前の古い種だったので 4粒づつを4ポットに蒔きました。 古い種ですが 水に浸けてから蒔いたので 翌日には種が動き出し 3日目には15/16が発芽しました。 その後 1ポット当り2株に間引きました。
 昨年も 徒長させて 花の咲かない部分が間延びし 一番花が咲いたのは 顔の高さ程になりました。 その為に 必要以上に背の高いネットを張ることになってしまいました。
 今年は そうならない様にと 早く畑に定植しましたが あまり際立った改善は認めらず 相変わらずヒョロヒョロノのノッポになっています。
 取り敢えず もう少し しっかりした竹の枝を差して 冷たい西風に耐えられる支柱が必要です。

水曜日, 12月 10, 2008

開墾地での種蒔き


交通の便が悪いために 今まで残っていたキゥイー畑が撤去され 建売住宅に姿を変えました。
 そこに隣接する場所が 11月から農園として 借りられることになりました。
 陽当たりは 申し分ありませんが 地中には石に混じって 種々の廃材が埋まっています。 耕そうと思っても ショベルが地中に入らないぐらい固く わずか10平方メートル程の土地を掘り起こすのに4日もかかりました。 更に ここを 菜園に転換させるには 大変な労力と資材が必要でした。
 取り敢えず 気温がまだ高い11月上旬に 小松菜やホウレンソウの種を蒔く1畝を準備するのに 苦土石灰に バーク堆肥を10kg 腐葉土を2袋 肥料成分も全て有機物(醗酵鶏糞・油粕・骨粉・草木灰)をたっぷりと土に混和し 合計3回土を耕しました。
 それでも まだ写真でご覧の通り 石ころやこちこちに固まった土の塊がゴロゴロしています。 中には 篩い分けしている人もいました。

 11月の初めは 比較的暖かい日が続いたので 4〜5日で発芽しました。
 ところが その後が大変でした 雑草が小松菜よりも勢いよく芽を出し 小松菜は残して 雑草を取るのに苦労しました。 更に 土が固く せっかく発芽した小松菜やホウレンソウは 根を土の中へ伸ばせないで 浮き上がった様になりました。 土を細かく潰しながら根が隠れるように両側から根元に土寄せしてやりました。
 1ヶ月も経つと 本葉もしっかりしてきたので 筋蒔きの両側にショベルを差し込んで 株が動くほどの かなり強い中耕で土を砕き 空気を入れました。 ボカシ肥で追肥をして 株元に土を寄せ 筋の間に潅水もしました。
 写真は それから3日ほど経って 落ち着いた状態です。
 3メートルちょっとの畝に 手前から 小松菜 ベンリ菜 ホウレンソウ の3種類を蒔いてあります。
 収穫は 暦の春が来てからでしょう また その頃が 葉物野菜の最も美味しい時期でもあります。 

日曜日, 12月 07, 2008

「もの作り」を想う

先日 或るメーカーのトップの方と もの作り について話し合った際に 「もの作りに対するパッションが無くなった」との言葉がありました。
 最近の日本では もの作りの現場は ひたすら ”安く、早く、大量に” 作ることにのみに関心が向いている様です。
 本来もの作りは 使う人の立場に立って 生活に必要とされ 十年経っても使い続けられる 信頼性のあるものを 一生懸命工夫して 丁寧に作るのが原点のはずでした。 ところが 流行を追い 格好だけが新しいもの 安易に使い捨て出来るものを作る流れになっています。
 日本のただ一つの資源である もの作り の先行きが心配です。

 さて 息子が乗って来た この英国製の自転車で 30km強のサイクリングに行きました。
 毎日乗っている国産の軽快車と比べて あまりにも大きな違いがあるのに驚きました。
 この自転車は 文字通り自転する車で 走りが軽く 車のバランスがいいので アップダウンのある道を30km程度走っても 全く疲れません。 違いの主因は 高圧タイヤを履いていることでしょうが やはり サイクリングの長い歴史を持つヨーロッパで培われた 自転車に関するノーハウや それを作り上げる技術が 絶えることなく 今に引き継がれている その もの作りの違いが大きいと思いました。 

 次の写真を見ていただくと この自転車は一つ一つ 手作りで丁寧に作られていることが解ります。
 例えば キャリアーは全て溶接構造で出来ていて その手溶接のあとが見えます。
 また 車輪のドロヨケけに描かれた2本の金線も手書きです それは奇麗な並行線に描かれていますが よく見ると 印刷でつけた線とは違う 筆を持つ人の息遣いが感じられる線です。 
 そのような 丁寧にものを作る姿勢が 随所に感じられます。

 また 使う人が 好みや 使い勝手の良さ を求めて改造して 愛着をもって長年使い続ける気持ちにさせることも もの本来の使命であり もの作りの原点に繋がるものだと思います。
 この自転車は 長年にわたって顧客からのフィードバックを受け こつこつと工夫を重ねた結果が盛り込まれた作りになっています。
 まず 左の写真は 普通はリアー側に付けられているスタンドを車体の中央に付け変えた写真です。前輪の勝手な動きを抑えて安定感がでます。

 右の写真は フロントに ちょっとした物が入るカゴを取り付けたものです。
 カゴはワンタッチで外せて そのまま手提カゴとしても使えます。
 状況に応じて カゴをカバンに取り替えるのも ワンタッチで出来ます。 カバンには書類やペットボトルの飲み物ぐらいなら すっと入ります。
 この自転車は 長く 大事に 心地よく乗りたくなる自転車です。

水曜日, 12月 03, 2008

最後の福耳と初取の聖護院


大型シシトウ「福耳」は 3月に入ってから 発芽器「愛菜花」に種を蒔き 苗を育てました。
 5月の始めに4株 定植し 1ヶ月ほど経って収穫が始まりました。 以降 手のひらサイズの大きなシシトウが 休みなく穫れました。
 始めの頃は 辛味は薄かったが 暑くなるにつれて辛味が増してきました 乾燥と肥料切れを起こさない様に 水やりと追肥を続けました。
 秋になっても 実は小ぶりにながら 数は多く生り 葉も青々と繁りました。 まだ 枝先には花も咲いていますが この気温では 実の肥大は望めませんし 隣に植っている白菜や大根に 日を当ててやりたいこともあり 終えることにしました。
 枝を切り落しているのを 仲間が見付けて「葉が奇麗なのにもったいないなぁ いらないのないのなら 貰って帰って 葉唐辛子の佃煮でも作るか」と言って 葉の付いた枝はほとんど片付けてくれました。

 一方の 初取り聖護院は 根もまずまずの出来でしたが それにも増して 葉がきれいで上々でした。 葉は硬いところは分けて茹で 細かく切って 削ブシをたっぷり入れて煮 皮はキンピラにしてこりこり感を味わい 根は大きく切って 昆布と干し椎茸を入れて煮ました。 まさに 大根尽くしの食卓でした。