不特定多数の人が 次々と土地を借りて使う菜園では 土作りが最重点課題になります。
従って 家庭菜園を初めた時から 良質な堆肥をたっぷりと土に入れることを心がけてきました。
そのために 手に入り易い公園の落葉と 古畳を解体して得られる藁切れを主材料とし 近くのJAや米屋で買える乾燥鶏糞と米糠を加えて 「バイムフード」を醗酵促進剤にして 短期間で良質な醗酵堆肥を作って来ました。
当初は 仲間3名で1m×2mの大きな枠をコンパネで作り その中で堆肥作りをしました。
今年は 1名分で畑も少なくなり 車での持ち運びも簡単にできる 小さな組み立て式の木枠を新設しました。
写真のブルーシートを掛けた木枠がそれです。 大きさは 内寸の1辺が約75cmの立方です。
更に当初から変わった点は 世の中が乾燥鶏糞から醗酵済鶏糞に変わり JAでは乾燥鶏糞の入手が困難になりました 醗酵済では堆肥の醗酵を促す窒素源にはなりませんので鶏糞を堆肥作りに混入す事を止めました。
また 藁を芯にした畳を敷いた家が減り 古畳の入手も困難になりましたので 落葉と米糠と促進剤だけで堆肥作りをしています。
それぞれの割合は ケヤキの落葉を南京袋にギュウギュウ詰めにして2袋と クヌギの落葉を同じく1袋半に 米糠20kg バイムフード0.5kgです。
積み込みの仕方は 下記の切り返し作業手順と同じです。
3日目には醗酵温度は45℃に上昇 順調に醗酵が進んでいることを確認しました。 その後4〜5日で次の行程の切り返しをする予定でしたが 雨の日と強風の日が続いた為に 積み込み後10日目に第1回の切り返しをしました。(中心部の温度は60℃前後でした)
さて 堆肥切返しの目的は 醗酵熱によって蒸発した水分の補給と コチコチに固まった落葉の塊をバラして 好気性菌のために空気を入れること 菌のエサになる米糠を加えることと 枠の中央と端 上と下 の醗酵を均一にするため 全落葉の場所替えを 一気に行うことです。
3メートル角のブルーシートを広げ 木枠内の上部から順次取り出します。 その過程で 乾燥の進んでいる部分には ジョロで水を掛けながら 枠内の落葉を全部取り出します。
積み込みは 取り出しとは逆に 上にあったものを 一番下に 端にあった物を中央に入れて 水を掛けながら(押え付け無いで)表面を均し 落葉に米糠をまぶします。 落葉を大箕で山盛り2杯入れると まぶした米糠に 醗酵素を一掴み 均一に振り掛けます これで一段の積込みが完成です。(途中で乾いている所には こまめに水を掛けます)
この作業を6回繰り返すと 落葉は全部枠に納まり 枠の7〜8分目の高さ迄なります。 落葉の最上部にはゴザを広げて覆い 水分の発散を防ぎます。 写真は 5段目迄積み込んだところです。
自然状態で 落葉が腐葉土になるには一年程かかりますが この醗酵素を使った促成落葉堆肥は 4〜5回の切り返しで完熟堆肥になり 3月からの夏野菜の土作りに 間に合います。
更に この堆肥には 米糠を醗酵させた 良質の有機肥料分がしっかり 含まれていますので トマト・胡瓜・ナス 等の元肥として 過リン酸石灰を混ぜ込んで施します。 秋にトマトや胡瓜の片付けをする時に トマトや胡瓜の根が堆肥を入れた所に密集して張り巡らされている のを見てもその効果の程が解ります。
また この落葉堆肥を作るポイントの一つに落葉を濡らす水の量があります。 解説書によると『水を掛けた落葉を強く握り 指の間から水が滲み出る程度』とありますが 落葉自体の水分の状態が均一ではないので 経験で習うより法は無いようです。
この一年間も 有意義なお交わりを頂き 有り難う御座居ました。 来年も 変わりませず 宜しくお願い致します。
どうぞ 佳いお年をお迎えになられますよう お祈り申し上げます。