小さな鉢植えのキルタンサスを頂いたのは 亡くなった植木屋さんからで かれこれ4〜5年も前のことです。
夏の間は 貧弱な細い葉が ひょろひょろと生えているだけの キルタンサスの小さな鉢は 誰からも注目されれず 庭の隅に放置されっぱなしです。
昨秋 冬花の準備に植木鉢を整理している時 球根がこちこちに固まった その鉢を見付け ダメもと と言う気持で 鉢を壊して引き抜き 一塊になった球根を4つほどに おお分けして 2つの鉢に植え換えました。
しばらく経って見ると 葉の緑色が鮮やかになり 根元が赤みを帯びてきました。 そして 年の暮れには 細長い花茎が伸びて その先端に 蕾が6〜7個づつ膨らんできました。 たまたま いい時期に 植えっぱなしだったキルタンサスの球根を 植え換えしたことになりました。
花の蕾を見てからは 鉢を 陽の当たる軒下に入れたり 土が乾くと水遣りをしたりと こまめに面倒を見るようになりました。
2月に入ると ぽつぽつ花が咲き出しました よく見ると 6枚の花弁が少し反り返っている様子や 薄いピンク色の柔らかな質感の花は 冬に咲く花としてはちょっと異色に見えます。
ものごとの流れとは不思議なものです。
先日 お呼びした友達が 手土産に クリーム色かかった花の咲いたキルタンサス一鉢を 持って来て下さいました。
右に掲載した写真が そのクリーム色かかったキルタンサスです。
思いがけず 今年の冬の庭には 3鉢ものキルタンサスが競い合って花を咲かせるのを 楽しめることになりました。
キルタンサスはヒガンバナ科の花です。
秋の彼岸に咲き出す あの曼珠沙華と同じ種とは 一見 不思議に思いましたが よく見ると 長い花柄の先に 傘の骨の様に5〜8本の花が着いています。
もっとも 曼珠沙華は傘をひっくり返した時の骨の様に 花が行儀よく揃って咲いているので 纏まって一つの花に見えますが キルタンサスは 傘に例えると 壊れ傘の骨の様に 偏って ダランと垂れ下がって咲いているので 全く異種の花に見えます。