このブログは 小さな家庭菜園での野菜作りを中心に 写真を付けて メモ風に書いています。 平素 ”目肥” 即ち よく観察をして 野菜の要求を悟り 即時に対応するよう心がけています。 さて このブログを通じて 多くの家庭菜園 愛好の方々と お交わりが出来たことに感謝しています。 これからも「菜園ブログ」の軸はぶらさないで 少しづつ 範囲を広げながら 続けて行きたいと思っています。
木曜日, 2月 01, 2007
堆肥 2段ロケットに点火
昨日の午後は気温が上がり 農園での外気温は15度でした。
5日前に第2回目の切返しを行った堆肥のその後の経過をチェックしました。
堆肥枠の蓋を開けると熱気が伝わり 温度計を堆肥に指し込むと 見る見る水銀柱は上がり 堆肥3ヶ所の温度計は全て60度をクリアーしました。
堆肥作りのご質問に答えて 私のやり方の要点を書きます。 およそ次ぎの様な考え方に基づき 温度変化を監視してチェックをしています。
「第一段階」: 堆肥材料の中の糖分やタンパク質を 糸状菌(カビ)によって分解させる段階。
糸状菌の活動速度は速く 分解時の呼吸熱により堆肥全体の温度が上昇します。 堆肥温度が30度を超えると 次ぎの段階に入ります。
「第2段階」: 糸状菌が分解出来ない 繊維質等硬い物を 放線菌(カビとバクテリアの中間の菌)によって分解させる段階。
この放線菌が活躍する段階が最も高温になり 堆肥温度は60度を超えます。 落葉堆肥の場合はそんなに温度は上がりませんが ボカシ肥料等を醗酵させていると温度が更に上がり80度を超えることがあります 上がり過ぎると堆肥中のアンモニア分が逃げて 折角の窒素肥料成分が減少するので 60度を目安にして小刻みな切返しをし なだらかな温度推移を維持するように対処しています。
「第3段階」: 放線菌の食べる物が無くなると活動が弱まり温度が下がります。 そうすると放線菌によって分解されて柔らかくなった繊維質等を食べるいろんな細菌(バクテリア)が増えて活動する段階になります。 時間をかけてゆっくりと堆肥が熟成して 温度も徐徐に下がります。
完熟の堆肥が出来上がると 香りが良くなり キノコが生えたりします。
今回の検温で60度を超えたと言うことは この暖冬のお蔭で上記の第2段階に入っていることになります。
無粋な堆肥の写真に代えて 昨日は月齢13日「冬の十三夜の月」を掲載しました。 シルエットに見えるのは こころなしか少し花芽が丸味を帯びて見える農園の桜並木の枝です。
十三夜の月は まだ夕日が残っている時間に出て来ます。 背景の空はまだ明るく 月の出に気付かない間にそっと出てくる感じで それだけ月の形はよりはっきりと見えます。 昔から「十三夜の月」を愛でて来たのが判る気がします。
また秋の月に比べると 冬は空気が澄んでよりはっきりと見えます。 更に 白道と黄道の傾斜の関係から 冬の月は出ると真直ぐ上に上がり 早く空気の綺麗な所に上がるのでよりはっきり見える様に思われます。
折角の「冬の十三夜の月」も素人のコンパクトデジカメの写真ではピンボケになり お月さんには申し訳無く思っています。
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10 件のコメント:
科学的で本格的な堆肥作りですね。
十六夜の月と桜の枝もいいですね。
ポタ様:
農園で堆肥の切返しをしていると、ブルーシートを広げて目立ちますし、匂いもするので、農園の方々から質問されます。PCをやっている方には「ブログを見てください」と言っていますので、判り易くと思って書きました。
天体を撮るには、一眼レフの望遠を付けて三極を使わないと無理ですね。このデジカメは手ブレ防止機能が付いていますが、被写体が暗いので、フェンスに固定して撮ったのですがくっきり見えたお月さんも台無しです。
堆肥作りを今までそれほどに考えもせずやっていましたが、とても参考になりました。
今迄にも何回かは温度チェックをしたことがあり、70℃を超えるようなことはありませんでしたが、80℃に至ることもあるというのにはビックリしました。
またまた素晴らしいアングルでとらえた夕景に見とれております。
waka3さんのところは、二回目の切返しは終りましたか?このところ気温が高いので切返すと醗酵が急に進みますでしょう。
昔、ボカシ肥料を醗酵させて作っていた頃は、醗酵温度が上がり過ぎて、温度コントロールに苦労しました。落葉堆肥では局所的な温度の上がり過ぎに注意しています、もっとも今年は鶏糞etcの窒素分が少ないので、そんな心配はありませんが。
今年から本格的に有機肥料を作る計画をしていますが、大変参考になりました。
「第2段階」の温度管理:攪拌がポイントですね。
昨日、堆肥を確認したら温度が低いです。冷たいと言うのが現状でした。僕は囲いなんかせずに最初はとうもろこしやさといもの茎、さつまいもの弦、野菜くずを鶏糞と糠を入れて藁で囲っただけでした。そして切り返しの際にいつも水をだぶだぶかけていました。下の方は出来上がっているのですがあとで落葉を入れた部分は出来上がっていません。ちょっと甘くみていたようです。発酵促進材の投入が必要なんでしょうね?
nagamasa様:
お役にたてれば有り難いです。
有機物肥料は醗酵をさせて投入すると、いいことばかりですから、堆肥やボカシ肥等の形にすると効果的ですね。
醗酵は無機化学の反応と違って、あなた任せの所が多いので、毎回思わぬ事態が起こります、だから面白いのだと思います。 肥料の醗酵では、先ず40度まで温度が上がれば後は何とか成ると思っています。
モンカー様:
折角堆肥をお作りになっているのに、温度が上がらないのではもったいないですね。 どうしてでしょう?、現場を拝見していませんので判りませんが、堆肥作りの有効カビは好気性(空気が必要)ですから、毎回水を掛けてビシャビシャでは醗酵しません。落葉の理想水分は(仕込む前のことですが)落葉に水を掛けて、落葉を強く握った時指の間から水が滲み出る程度、と言われています。切返しの際の水は醗酵熱で落葉がカラカラに乾いている所に重点的に掛けています。
醗酵促進剤は、3ヶ月程の間に作る場合は、必要でしょう。いろいろな種類の物が市販されています、落葉堆肥なのか、もっと肥料成分の多いボカシ肥料を作るのか、家庭の生ゴミで作るのか、でも違います。私は落葉に米糠と鶏糞を加えた物に「バイムフード」と言う商品名の促進剤を使っています。醗酵の始め、1段ロケットに点火させるまでの助剤として使っています。
醗酵堆肥に関しては勉強してみたのですが耳学問だけで実践が伴っていないのでちょっと違うやり方を聞いたら分からなくなってきます。
なにより、自分でやってみるのが一番なのでしょうが現場が遠かったり材料が手に入らなかったりで未だ実践できていません。
早くやってみたいものです。
せんめい様:
醗酵は面白いし、また有機栽培には無くてはならないものですから、是非実践なさるようにおすすめします。 通気性のある米袋一つでも、落葉と米糠を入れてやってみられると面白いですよ。
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