水曜日, 5月 30, 2007

5月播きのホウレン草


 5月に入って種を播くホーレン草は 寒い時と違って様々な障害が起ります。
 まず 本葉が出始めると「立枯れ病」で消えていき その後は「ベト病」に罹って黄色くなって枯れます。 幸い乗り越えても 気温が高く生長が早いので すぐに込み合い シッカリした株張りがなく ヒョロヒョロとした草姿で トウ立ちが始まってしまいます。

 以上のようなことを踏まえ 今回は次の点に留意しながら 5月の初めに2筋の試し播きをしました。
 まずホウレン草の品種を替えました。 秋冬はタキイの「オーライ」を播いていますが今回は「ベト病抵抗性 春〜初夏どり 晩抽性のマゼラン」を選びました。
 種播きは 通常の筋播きですが 種の間隔を広くとりました。 播いた後は モミガラとベタ掛布を被せてタップリ水をヤリ 防虫網のトンネルと雨除けのフィルムを張りました。(発芽迄は湿度を保ち 発芽後は乾燥気味の環境にするため)
 4日ほどで芽が出始め 本葉が出てから 始めて株間を3センチほどに間引きました。
 本葉が4枚が出た頃に 2回目の間引きで株間を6センチほどにしました。 同時に 軽く中耕と888化成肥料をパラパラと撒いて土寄せをし ジョロで水やりをしました。 本葉が4枚になると「立枯れ病」も「ベト病」も出難くなるので 雨除けフイルムも外しました。

 写真のホウレン草は中耕・土寄せ後1週間ほど経った現在の姿です。
 株の張りや葉数も出て来た様ですし 葉身と葉柄のバランスも悪くありません。 これから収穫前にストウチュウを葉面散布してやると 葉色と葉の厚みが更に良くなります。 
 そして6月の初旬には 冬のホウレン草の様に甘味ののった美味しさは望めませんが わずかながら試食のホウレン草が戴けるでしょう。  

月曜日, 5月 28, 2007

夏野菜の収穫が始まる


 今朝 部屋の窓から眺めた南の空です。
 天気図を見ますと 移動性の高気圧が中心を日本海に移し 北から日本列島を覆う形です。
 近い将来梅雨前線になる前線は南に押し下げられて 前線の北側の晴天域に入っています。
 東京地方の空は乾いた空気で 早朝は空気の対流も少なく 小さな積雲が青空にぽかぽか浮かんでいます。 昨夜の雨で空気が奇麗になったので空の青さが澄み切って見えます。

 今日も日差が強く 農園ではじりじりと照りつける太陽に 麦藁帽子とサングラスが必携です。 しかし 木陰に入るとカラッとしていて アメリカでの滞在が長かった仲間は「アメリカの様な気候だ」と言っていました。
 5月も終わりに近づくと いよいよ夏野菜の収穫期になります。
 今までづっと小松菜・リーフレタスや春菊等の葉物野菜の生長に追われて 葉物にはやや食傷気味でしたが 真っ赤に熟したミニトマトやズッキーニに続いて 今日は胡瓜も3本初取りしました。 茄子の1番果もS形卵ほどになり ソラマメもうすぐです。
 これら果菜類が食卓に登場して目先を変え 新鮮な夏野菜が食卓を華やかにする頃です。

 一方 毎日実を生らせる果菜類の草勢を維持する為には適切な追肥と 繁茂する枝葉の整理も欠かせません。 また アブラムシの最盛期ですし 間も無く走り梅雨に入ると カビ菌による病気(ベト病・疫病etc)にも目を配らねばなりません。
 日頃の観察が要求される「目肥」の頃でもあります。 
 

金曜日, 5月 25, 2007

胡瓜の3本仕立


写真の胡瓜は 巾1メートル強 奥行き2メートル強の畝に2株植えてあります。
 胡瓜ネットは畝一杯の長方形で 高さは約2メートルの行灯形です。
 今年も一株から3本の蔓を伸ばす 3本仕立てにしています。

 この時期には 農園の多くの方々から その「3本仕立て」について聞かれます。
 胡瓜は 定植後20日もすると蔓が伸びて 葉は10枚以上になり それぞれの葉の付け根(節)には花芽と脇蔓の芽が着きます。 その頃 第2節から第4節辺りで勢いの良さそうな脇蔓の芽を2本選んで これを主蔓と同じ様に伸ばして 合計3本の蔓として育てています。
 更にその時に 第1節から第5節ぐらいまでの節に着いている花芽と脇蔓の芽(上記で残した2蔓以外の芽)は欠き取ります。 葉は残します。
 (この作業は 現場で胡瓜の花芽を見ながら説明しますと「百聞は一見に如かず」で すぐに理解されます。)

 この際メモ代わりとして 留意している項目と 関連のブログ記事のインデックスを以下に纏めました。
 まず 胡瓜の整枝につては:
 昨年の5月23日付「胡瓜の蔓の管理」をクリックして ご覧下さい。 またそこには この節生り胡瓜の花や実の着き方について記載した一昨年7月17日付け「元気になった胡瓜」にもリンクしていますので 併せてご参照下さい。

 胡瓜の畝作りや元肥については:
「胡瓜の元肥入れ」 及び「胡瓜の潅水パイプ」をクリックしてご覧下さい。

 胡瓜の追肥については:
 第1果が収穫され始めて以降 1週間から10日おきに施しています。 施肥の場所は(マルチフイルムを最後まで外したく無いので)株元から30cm以上離れた対角線の2ケ所のマルチに棒を差し込んで 棒をぐるぐる回して深さ10cmほどの穴を明けて 888の化成肥料を軽く半握りづつ入れ 水をやっておきます。 また晴天の日が続き マルチの下に手を突っ込んでみて 土が乾いているときは上記の「胡瓜の潅水パイプ」から1株当たり10Lの薄い液肥をやっています。 

 ストウチュウの葉面散布については:
 病気と害虫対策に併せ 葉面からの栄養補給を兼ねて 4〜5日おきにストウチュウの葉面散布を続けます。 ストウチュウについは「ストウチュウを始める」をクリックしてご覧下さい。

 また 夏の直射日光による地温上昇対策としては:
 マルチの上に藁を敷き 次第に厚くして 梅雨明け後の猛暑時にも胡瓜の根に出来るだけ快適な条件を作るようにしています。 

火曜日, 5月 22, 2007

バジルと赤ジソの定植


 丸三日 野菜の顔を見ない間に 生長は急でした。
 ミニトマトの1段果は赤くなり 胡瓜も子蔓が伸びて絡み合っています。 茄子は定植して間も無いのに頭がトンネルに支えてしまいました。 また ズッキーニは第3果まで収穫が進みました。 当然 畑の周辺の雑草も気になります。
 それぞれの 待った無しの手入れに追われて 時間が過ぎてしまいました。
 
 4月10日にポットに種を播いたバシルと赤ジソも 1ヶ月ほどは遅々としていましたが ここにきて急生長し 定植の時期になりました。 ミニトマトの畝の肩に バジル2株と赤ジソ2株を植え また 胡瓜畝の端に赤ジソ5株を植えました。

 同じ4月10日に種を播き 先日定植したゴーヤは本葉が10枚ほどになり トンネルの天井に蔓を絡ませてきたので トンネルを外して 高さ2メートルのネットを張りました。
 今年は3株もゴーヤを植えたので 子蔓の整理がポイントだと思っています。
 胡瓜の様に規則正しく花芽を付けないので手探りですが 本葉6〜7枚の処で芯を止めてみました。 既に脇芽も伸び始めていますが 様子を見ながら 1株あたり子蔓は3〜4本で茂り過ぎない様に注意しながら育ててみようかと思っています。 果たして その結果や如何に?

金曜日, 5月 18, 2007

再会の弥勒菩薩


 GWが終わった後の数週間は 同期会や同好会の開催シーズンです。
 御多分に漏れず私もそのうちの一人 今年は京都への2泊3日の旅でした。 この機会に 数十年振りで広隆寺の弥勒菩薩に会いに行って参りました。(この3日間は菜園に出ていませんので 今回は菜園のブログではありません)

 我々が学生の頃は 楽しみも少なく 近くの古いお寺や仏像を見るのが楽しみの一つでした。
 休みの日になると 珍しく早起きして 同好の友2〜3人と京都や奈良の古い建物や仏像を1日がかりで見に行ったものです。
 その様なある日 この弥勒菩薩を始めて見た瞬間に この小柄な像に親しみ易さを感じ 眉から鼻筋にかけての飛鳥仏の簡潔な線と口元の微笑みの線の魅力に惹かれました。 以後何回か この像を見に行きました。

 その頃は 弥勒菩薩は小さな部屋に安置され 少し見上げる程度の高さの 目の前にお顔があったように記憶しています。 ところが今回行ってみますと 空調・採光・耐震防火完備の立派な建物の中に その他の仏像と一緒に安置されいました。 中でも弥勒菩薩は中央の奥まった場所で 数メートルも離れていて 更に 照明が届かないので薄暗く こちらの視力も衰えていますので あの目鼻立ちや口元は定かに見ることが出来ませんでした。
 現地に立っておられた監視員の方に伺いましたら 見物者が弥勒菩薩にほほ擦りをした時に像の右指を折る事故もあって 昭和58年に現在の大部屋での安置になったとのことでした。

 私にとっては待ちに待った再会でしたが あまりにも大きな変り様に落胆してお堂を出ました。 外は若葉が薫り 入場券に印刷された弥勒菩薩のお姿が気の毒に感じました。
 同じ広隆寺の境内に建つ講堂は飾り気の無いすっきりした建物で 白壁に柱と梁とのバランスも良く 直線的な瓦屋根もマッチしていて 好きなお堂です。 その講堂を背景に入場券の弥勒菩薩を入れた悪戯写真を撮る不真面目な気分になりました。

月曜日, 5月 14, 2007

茄子の定植


 このところ 雨が降ったり強風が吹いたりの日が続きました。
 一日伸ばしになっていた 最後の一畝への夏野菜の植付けも やっと終りました。
 植付けたのは タイの長茄子が1株 接木の普通茄子が1株 シシトウが4株 2~3年に1回の鷹の爪が2株です。 此れ等は 秋の十月いっぱいまで畑に残っている可能性のある夏野菜です。

 写真の「タイの長茄子」は waka3さんから貴重な種を頂戴して 2月3日節分の日にトマトと同時に種を播きました。 以来ほぼ順調に育って来ました ご覧の通り茎も太く葉も大きく 1番花も薄紫の優しい色の花を咲かせました。
 この「タイの長茄子」は 色・姿・ネーミングで農園仲間に注目されています。 また わざわざプラスチック製の組立て式「通い函」に土を詰めて植えている点も関心を集めています。

 連作によって「半身イチョウ病菌」に汚染された土壌に継木でない茄子を植えると かなりの確率で 第一果の取れ始める5月の終りから6月始め頃に 一本の枝の葉が萎れて枯れ始め やがて株全体に及んで萎れて 幽霊の様に悲惨な格好になります。 なんら打つ手も無く 同じ畝に植えられた茄子も次々と病気に羅って枯れます。 
 かって私もこの苦い経験を味わいました。 その頃試しとして この通い函に茄子を植え 我家の庭で育てたことがあります。 「通い函の茄子」は順調に育って お巡りさんが巡回の都度庭を覗き込んでは「まだ元気でやってますね!」と声をかけられたりしながら 11月まで青々として たくさんの実が着きました。
 その経験がありましたので 種を頂き 接木で無い苗を育てました。 そして「半身イチョウ病菌」から隔離すべくこの通い函を使って 普通の接木の茄子に並べて定植しました。 なんとか順調に秋まで育って欲しいものと願っています。

(明日から四日間 ブログを休ませていただきます。)
  

水曜日, 5月 09, 2007

アブラムシの季節


 昼間の気温が25度を超える日が続いて 農園ではアブラムシが発生しています。
 アブラムシと言えばソラマメ そのソラマメの今を写真に撮りました。
 ご覧の通り 実は肥大期に入り 空を向いていたサヤが下を向いているのも見えます。 背丈も伸びて1メートル近くになりました。 4月27日付のブログでは 背丈が伸びて防虫網トンネルに頭が支えると 先端を切り取る考えでしたが 次々と伸びて来る芽先を実際にちょん切ることは 気分的にも気持のいいものではありません。 防虫網を2枚使って防虫網トンネルを今までの倍の高さにして ソラマメの先をちょん切るとこなく 最後迄防虫トンネルの中でアブラムシに備えることにしました。 

 アブラムシで致命的な問題は アブラムシによって媒介さらるモザイク病です。 特にトマト・胡瓜・茄子等 夏野菜の定植間もない幼苗期に モザイクヴィールスに感染されると取り返しの付かないことになってしまいます。
 トマトは現在防虫網トンネルの中で 2段目果実がピンポン球ほどになり 4段目の花が開いています。 ここまで成長すると 例えヴィールスが入っても先端部に影響が出て来るのは1ヶ月以上先のことになり「何も穫れなかった」と言う様なことにはなりません。 トマトは寝かせ植えをしていますので 背丈が伸びている割に高さは防虫網トンネルの中で収まっています。 あと何日かでもアブラムシに晒され無いで済めばと思っています。

 胡瓜も防虫網トンネルの中で 3本蔓仕立ての1番蔓・2番蔓・3番蔓の選定が終わり 5段節までは雌花・雄花の欠き取りは終わっています。(「胡瓜の蔓の管理」については、クリックすると昨年5月23日のブログがご覧頂けます)
 今日2株の中の1株の7節目に雌花が勢いよく開花しました。 1週間ほどで 今年始めての胡瓜が収穫出来ます。
 ところで胡瓜は トマトの様に何時迄も防虫網トンネルの中で大人しく居てくれません。 蔓があばれてネットに誘引するのに苦労しますので 蔓の数が増えない数日中に胡瓜ネットを立ち上げて外に出します その時はアブラムシに晒されることになります。 胡瓜はソラマメほどアブラムシが急速に増殖しませんが それでも絶えず新芽の辺りを中心に アブラムシの監視を怠らないようにします。
 
 茄子は目下温室の中で待機中です。1番花が綻んで来ましたので 明日にでも天気が安定しますと定植OKです。
 定植後は 当然防虫網トンネルの中で育てます。 納まりきらなくなる迄トンネルは外しません。   

日曜日, 5月 06, 2007

ズッキーニの婿探し


 今日は立夏 夏の入り口に入りました。
 昨日迄の数日 昼間は25度を超える夏日の暑さで 慌てて夏物の作業服を探し出したりしました。

 保温トンネルを外したズッキーニも急に逞しくなり 一人前の葉を展開しています。
 ご覧の通り葉に白い模様が浮かんで来ましたが この模様が現れると ズッキーニは雌花を咲かせる体制になった証です。 
 余談になりますが 10年近く前 始めてズッキーニにトライした時 農園では誰もズッキーニに対する知見はありませんでした。 そんな中で突然 葉にこの白い模様が現れました。
 指導員の方もご存知なく「カボチャだから ウドンコ病では?」とのことでしたが ルーペで葉の裏を見ましたがウドンコ病らしい様子も見えません。 園芸雑誌でズッキーニの写真を見いだして やっと納得したことがありました。
 ズッキーニのこの白い模様が現れると 今でも あの時のことを思い出して苦笑します。

 話を戻しまして 1番雌花を着果させるためには雄花が必要です。
 この時に備えて 仲間で談合して全員が同じ日に種を播きました。 誰かの株に雄花が咲けばとの思惑でしたが どこも雄花は咲きそうにありません。
 カボチャの着果ホルモン(ナフタレン酢酸剤)は売っていますが この1回だけのために大ビン1本を買う気にもなりません。 トマトの着果ホルモン(トマトーン)も効果があると聞いて 30倍の濃度で 開花日に 花にも幼実にも筆でたっぷりと塗りましたが 結果は先膨れの小さな奇形果が出来ただけでした。
 カボチャの雄花でも結構 あと数日の間に婿探しに歩きます。
 

水曜日, 5月 02, 2007

トマトの追肥


 今年のトマトは すんなりと行かないような気がします。
 まず 定植して10日経った頃に 数株の下葉に1ミリ程の小さな灰褐色の斑点が現れました。 前年「ハンテン病」に罹った葉が畑に残されていて その菌糸か胞子がトマトの下葉に跳ね移ったものと思われます。
 幸い発見が早かったので 病気に罹った葉を1枚1枚丁寧に切り取り ストウチュウを全株にたっぷり散布しましたので 蔓延は防げたと思います。

 次に 窒素成分過多の兆候が現れました。
 葉色が濃くなり 幹が親指ほどに太くなり 先端部の葉がもじゃもじゃとカールしました。
 定植前の土作りでは 例年通り窒素成分をひかえた標準的なトマトの施肥をしています。 今迄と変わった事は「ダルマ菌堆肥」を施したことぐらいです 前年の利用者が施した肥料分が残っているようです。
 窒素過多ではありますが ご覧の通りに1段果実は大きくなり3段花も咲き始めましたので 追肥の可否を試す為に 1株当たり1リッター強の水を株元に撒いて様子をみました。 
 雨上がりの今日 先端の葉は 色も良くなり 真っ直ぐに伸びて来ましたので やっと1回目の追肥をやることにしました。(追肥につきましては 昨年5月15日付け「トマトの追肥」をクリックしてご覧下さい)

 また今年は 1段果実の数を3果に選果しています。
 昨年もそうでしたが 5段目の実着きがどうも良くありません。 1〜2段にあまり実を着け過ぎると上位段の実着きが良く無いとガイドには書いてありますので(比較チェックをする為に1株は5果着けたまま残して) 他の全株は1段を3果にしてみました。