土曜日, 5月 27, 2006

「目肥」を施す

「マツリカ(茉莉花)」が咲き出して また新らしい香が庭に広がりました。 十日程前の晴れた朝 突然 「羽衣ジャスミン」が一斉に咲き 先ず強い香が狭い庭に広がりました。 次に「アベリア」が香を放ち 蜂が何処からともなく飛んで来ました。 そして今度は「マツリカ」の香です。  庭を通るとそれぞれの香が次々と重なって なんと言うか?ポリフォニックなハーモニーを感じます。(写真の画面をクリックすると 花はもう少しよく見えます)
 この「マツリカ」は数年前 伊豆下田で「アメリカン・ジャスミン」と名付けて売られていました。 また 「マツリカ」の学名はJasuminum sambacと言うそうで ジャスミンと同系統の香がするわけです。

 さて 家の温室で苗作りをしていた「オクラ」「シシトウ」「イタリアンパセリ」それに「バジル」は この降雨の前に定植し終えました。 温室に残っているのは「オクラ」の根に付くネマトーダ防除の目的で 「オクラ」のコンパニオンプラッツとして準備している「アフリカン・マリーゴールド」の苗だけです。
 これで予定していた主な夏野菜の植え付は終り これからはその成長の応援にまわります。 

 これから農園では 早送りの映像を見る様に 良くも悪くも作物の変化が非常に早くなります。 ほんの数日の間に状態が悪くなって取り返しのつかないことが起こりえます。 そう言う意味で これから一番大事なことは「絶えず見て 求めているものを感じ取り すぐに痒い所に手を差し伸べること」だと思っています。
 「目肥」? こんな言葉が有るかどうか? 判りませんが 夏野菜には先ずは 「目肥」を施すべき段階になりました。 

金曜日, 5月 26, 2006

「エンダイブ」と「マノア」


 三月の下旬に種を播いた「エンダイブ」と半結球レタス「マノア」は ここに来て急に成長が早くなりました。
 防虫ネットを外すと 朝日を受けて そのままかじりたくなるようです。

 「マノア」は葉質が極めて柔らかいので輸送には不向きです。 そっと持って帰ってすぐにバリバリと戴きます。 数日中に一株づつ採り始めます。

 「エンダイブ」も葉の数が増えてきましたので もう少し経つと 軟白のために外葉を集めて 葉先を紐で縛ります。 そうしておけば一週間も経つと 柔らかくて香のいい「エンダイブ」が採れます。 「エンダイブ」は韓国風の合わせ調味料で和え 仕上げに炒り胡麻をふって「センチェ」で戴きます。  

火曜日, 5月 23, 2006

胡瓜の蔓の管理


 胡瓜ネットを張って蔓を這わせました。 「胡瓜の三本仕立」がよく見えます。
 写真の真中の背の高い蔓が一番蔓 右に見えるのは二番蔓 左側で背の低いのが三番蔓です。 どの蔓も下から5~6節までは 葉は残して脇芽も花芽も欠き取っています。

 この「タキイの夏すずみ」胡瓜は 所謂"節成り"の種類です。 その花や実の付き方は 昨年の7月17日付けブログ (クリックすると開きます)に詳細に記載してありますのでご参照下さい。
 一番蔓・二番蔓・三番蔓はいずれも親蔓としてネットを這い上がります。 ネットの上端までは約1.8mあって そこまで伸びるとその先の芯は止めます。
 親蔓の節(葉の付け根)には必ず脇芽と花芽が付いて 花芽の半分以上は雌花で実に成ります。
 
 脇芽の方は伸びて子蔓になります。 子蔓の第一節は必ず雌花が付いて実がなります。 見ていると 雌花の咲いた脇から出る子蔓は雌花咲く確率が高いようで 第二節も雌花で連続して実が付くことがあります。
 子蔓はそのまま伸ばすと 何節かは雌花が付かず葉だけが茂って 陽当たりを邪魔して 他の蔓の成長や花芽の阻害をたり 風通しを悪くして茎葉に病気を生じさせます。 そこで雌花の咲いた先の葉一枚を残して(この残す葉が 実の肥大のための栄養を供給する大事な働きをします)その先の芯を止め 葉の過剰繁茂を防いでいます。

 また 子蔓の節からも蔓が伸びて来ます 孫蔓です。 孫蔓も第一節は雌花で実になります。 これも子蔓同様に 実の先の葉一枚を残して芯を止めます。 その頃になると どれが子蔓でどれが孫蔓か?判らなくなって 現実は 蔓の管理はややこしく 放任に近い状況になっています。
 いずれにしましても 新しい蔓が伸びることは 根の活性化の刺激にもなっているように思えます。 そこで 元気のいい蔓2~3本は止めないで伸ばしておく様にしています。 

 根の状態が良くて 養分・水分の補給が満たされていると 梅雨明け十日の厳しい気象条件下でも孫蔓は盛んに伸びてきて 素直な形のいい実が採れます。 
 

月曜日, 5月 22, 2006

ズッキーニの初収穫


ズッキーニの一番果を収穫しました。 写真に写っているのは二番果と三番果 そして四番果は明日開花します。 気温が上がって来ましたので次々に開花しそうです。

 今年は 農園のズッキーニ仲間と談合して 同じ日に種蒔をしました。 誰かのズッキーニの雌花が開花したら 皆で雄花を探して一番花から実を生らそうとの魂胆でした。
 しかし一番花が開花した朝は 雄花が無くて 止む無く発育不良のカボチャの雄花で受粉しましたが不成功でした。 二番花が受粉に成功して今年の一番果になりました。 まだ株自体が小さいので株の体力を優先して 実は幼果で収穫しました 目方は200grでした。 通常はもう2日ほど置いて400grぐらいで収穫しています。

 収穫が始まると 追肥と支柱を建てます。 また 梅雨に入り雨が続くと雨除け対策をします。
 追肥は トマトと同様穴肥でやっています。 ズッキーニの場合は普通の化成肥料(8・8・8)を3ヶ所ほど穴を開けて施しています。 10日置きぐらいの間隔で穴肥の場所を変えて追肥を施し 乾燥が続くと液肥を適宜施します。
 支柱建てについて。 ズッキーニは蔓なしカボチャなので 軸が折れると脇芽がなくお終いになります。 400grの実が偏荷重で絶えず軸にぶら下がり 更に実を収穫する時に軸を傷めることもあって 軸が折れない様に丈夫な支柱を建てて誘引しています。 ご参考まで 「昨年7月13日ズッキーニについて」 をクリックすると支柱への誘引の様子がご覧頂けます。
 もう一つは雨除け対策です。 以前イタリア旅行でズッキーニの種を買って帰り試作してみました 食味は柔らかでいいのですが 日本の梅雨時の湿気で病気が出てあまりいい結果ではありませんでした 現在はタキイの「ダイナ」を植え続けています。 また 雨で折角開花しても花粉が流されてしまうことも起こります。 ズッキーニの中心部は雨に当てない方が良いので 梅雨に入ると支柱に透明のポリ傘を取り付けています。 「傘を差したズッキーニ」 をクリックするとその写真がご覧頂けます。

土曜日, 5月 20, 2006

スイスチャード


 カラフルな葉物野菜  フダン草の一種「スイスチャード」です。
 4月10日頃にポット播きをして4月の終りに定植しました。 播種後1ヶ月頃から 葉を株元から摘み取て収穫します。 そして この写真に写ているホウレンソウほどの大きさまでは カラフルな葉柄も一緒にそのまま生でサラダとして戴いています。
 
 フダン草の割には あの土臭さが少なく 葉は厚くてボリューム感があります。 葉柄は見かけによらず柔らかく その葉柄と葉脈は黄色・金色・桃色・深紅・白色など綺麗な色をしていて サラダに彩りを与えます。
 土質は選ばず 暑さに強く 病気にも罹り難いし 防虫ネットの中で育てると虫にもやられません。 その上 葉物野菜が少なくなる時期まで 長期間栽培が出来ますので 育て勝手の良い野菜です。 これから もう一度種を播いて 真夏用として育てます。
 50cmほどに成長しますと 葉柄は硬くなり 土臭さも小さい時に比べると強くなりますので 火を入れて「煮びたし」にして戴いています。 その成長期の姿は 昨年7月19日付けのブログで(クリックすると)写真をご覧頂けます。

月曜日, 5月 15, 2006

トマトの追肥


 今朝は久し振りで日が差し 庭に出るとジャスミンの香が朝の空気に充満していました。 日光を受けてジャスミンが一斉に開花したようです。

 農園に出てみると 既に大勢の方々が見えていて 待っていた太陽に皆明るい表情です。
 トマトの背が急に伸びて 防虫トンネルに頭が支えたので 雨の降る前 急いでトンネルを外して支柱立てをしましたが その後どうなったか? 気になっていました。
 写真でご覧の通り 一段花房の実は大きくなり朝日を受けて輝いて見えました。 そして 三段花房も一番花が咲き出していました。
 トマトの幹は理想とされる「人差し指ほどの太さ」に比べると「親指以上の太さ」でダイエットを必要としますが トンネルに頭が支えていた先端部は形・色とも正常で 巻葉にもならず色もどす黒くはありません。 今週は数日 農園に来れないこともあり この際トマトの第一回追肥をすることにしました。

 トマトの第一回追肥は 早く効かせたいので高度化成(N14.P14.K14)を穴肥でやっています。 株元からそれぞれ20cmほど離した所2ヶ所に 1.5cmほどの太さの棒をグルグルと廻し込んで直径3~4cm・深さ10cm以上の円錐形の穴をあけ 1穴に高度化成を小さな10ccの計量カップ8分目ほどを入れて 水をゆっくりと穴から溢れるほど入れます 明かに成長の遅れている株は後回しにして 全株に追肥をしました。

 この後 第二回以降の追肥は それぞれ五段・七段と奇数段の花が咲いた頃を目安に行います。 トマトは元肥の段階で 特にチッソ分は少なく施していますので 追肥は遅れることなく追いこんで行くように心掛けています。
 また 5月2日付けブログで記載しました「ストウチュウ」は雨の日が続かない限り防病虫も兼ねて数日おきに散布しますし 晴天が続いて土が極端に乾燥した時は 液肥を与える等状況に応じた対応も取ります。 

土曜日, 5月 13, 2006

はしり梅雨


 野菜や魚の「はしり」は歓迎ですが「梅雨」の「はしり」は頂けません。
 前線が南岸に停滞して すっきりしない天気が続いています。 この「はしり梅雨」で 土をいじる農作業が一日延ばしになっています。 たまらずに気象衛星の写真を見ると ベンガル湾からチベットにかけてモンスーンの雲らしいものがあって 東に向って雲の列がつながっています。 残念ながら「梅雨」の舞台は着々と整いつつあるようです。

 「ナス苗」は 温室の出し入れが出来ないほどに大きくなり 一番花が膨らんで来ました。 定植時期になっていますが 今日の冷たい雨でまた明日まで「待ち」です。 

 農園仲間の方から3月も終り近づいた頃「えんどう豆」の苗が余っていると言われ たまたまネギの跡が空いていたので 5ポット定植しました。 ネギの跡で日当りも良くないうえに かなりの老化苗でしたのでなかなか元気が付きませんでした ここに来てやっと真白な花を付けてくれました。 かるく追肥をやって 写真を撮りました。

水曜日, 5月 10, 2006

トマト・胡瓜の脇芽欠き


 深大寺植物園で買ってきた 淡いノーブルな香のするバラです。
 挿木で増やして 鉢植えにしたバラが咲き始めました。 朝から霧雨が降って しっとりと湿ったバラの風情を写真に撮りました。

 まる三日 農園にはご無沙汰の間に どの作物もひとまわり大きくなり しっかりしてきました。
とりわけ トマトと胡瓜は一段階上になり 花芽や脇芽を旺盛に出して大人っつぽくなりました。
 霧雨が上がったのを見極めて トマトと胡瓜の脇芽欠きをしました。
 トマトは1本仕立で 脇芽は小さい内に全部指で欠き取り 特に花房の下の脇芽は元気で成長がが早いので 早い時期に欠き取っています。

 私は一般のマニュアルとは違って 胡瓜は3本仕立にしています。
株元の第2節から第4節ぐらいの間に出てくる 勢いの良い脇芽2本を伸ばして 元の蔓と合わせて 1株に付き3本の蔓を親蔓として伸ばしていく3本仕立です。
 胡瓜(タキイの「夏すずみ」)は本葉1枚目(第1節)の脇から花芽が付きますが 株がシッカリして本葉が5~6枚目になる迄の 全ての花芽と 上記の2本の脇芽以外の脇芽も 惜しみなく小さいうちに欠き取っています。 株の初期成長の間は花に養分が取られないようにしています。
 これから 1株について3本の親蔓を伸ばして行きますが その場合の実の付け方や 整枝の仕方はどうしているか? につきましてはその段階で記載のこととします。 

日曜日, 5月 07, 2006

クレマチスの咲く頃


 今年も連休を待っていたかのように 玄関脇の「クレマチス」が一番花を咲かせました。
 庭では「たつなみそう(立浪草)」が一面に淡い紫色の花を咲かせています。 波頭の水飛沫を連想させる花が 揃って太陽に向っている様子を見ると「立浪草」の名付人に拍手を贈りたいと思います。 今朝は鉢植えの 銅葉の「オキザリス」も その葉の感じからは想像し難い可愛い花を持ち上げました。 「たつなみそう」や「オキザリス」等の写真は アルバム「庭の花々」をクリックするとご覧になれます。

  八十八夜も過ぎると 農作業は忙しくなります。
 家の苗作り温室ではまだまだ満席の状況が続いています。 「チマサンチュ」は今日明日に定植の段階です。 「ナス」は1番花が膨らんできましたので定植間近です。 「イタリアンパセリ」と「シシトウ」は本葉が4枚になりポットに1本立ちにしました。 「バジル」は可愛い本葉が出てきました。 「オクラ」は発芽を始めた段階です。    
 農園では 春播きの葉物類がここに来て成長が加速し 数日の間に見違える様になって 収穫が追い着かない状況です。
 定植済みのトマト・胡瓜等は逞しく成長を続け ミニトマトの1番果はパチンコ玉程になっています。 これらの夏野菜は 間も無く防虫網のトンネルを外して支柱を建てなければならなくなりました。
 支柱建て作業と病害虫への監視の目も必要になり 多忙な頃になりました。 
 

火曜日, 5月 02, 2006

ストウチュウを始める

  「ストウチュウ」は御存知の通り「酢・糖・酎」のことです。
 野菜に必要な水分や肥料要素を野菜の根から吸収させるだけでなく 野菜の葉からも養分を吸収させ丈夫な体力を増進させるために 葉面に散布する栄養液です。
 更に 溶液中の薄い酢酸分は野菜の葉の表面組織を固くし 焼酎のアルコール分は病害菌を消毒します。 かように葉を害する虫や病原菌から野菜を防御する効果もありますので 無農薬栽培の決め手として「ストウチュウ」が囃される所以でもあります。
 かれこれ10年ほど前から「ストウチュウ」を使い始めて 年々の変遷を経て今日に至っています。 最近は農園仲間にも「ストウチュウ」の固定ファンが増えて この言葉だけで通じるようになりました。

 夏野菜の苗が根付いた頃から梅雨明後の収穫期一杯の間 ほぼ5日から1週間の間隔で「ストウチュウ」の散布を続けています。 また秋のホウレン草等の葉物野菜の成長促進や葉の厚みや葉色を良くするためにも散布しています。 
 昨年7月3日付けの(菜園ブログ)にも「梅雨期の追肥」と題して記載しましたが その時々の野菜の要求に応じて ストウチュウ溶液の成分を変えて対応しています。 以下その要点のみ記載します。

 先ず「酢」は市販の醗酵酢(ラベルには穀物酢とか米酢と書かれています 化学合成された酢酸を水で薄めた合成酢は避けます)
 次に「糖」は「トウゲン」と言う商品名で売られている活性葡萄糖の粉末です。(当初は黒砂糖を醗酵させて作っていましたが 現在は安直なトウゲンを水に溶いて使っています) 小さな分子構造を持った葡萄糖で 葉の気孔から吸収されて野菜の体力を強めると考えられています。
 最後に「酎」は市販のアルコール度35度 果実酒を造る通称ホワイトリカーで 安い焼酎です。
以上が「ストウチュウ」の基本材料です。
 そこに状況に応じて添加する物として 葉面散布用の液肥や尿素 及び その他の微量要素があります。 更に これらを溶かし込む「うすめ水」に一工夫を加えて「ストウチュウ」を作っています。 なお「微量要素(拡大ストウチュウ)」「うすめ水(ストウチュウの水)」については それぞれの言葉をクリックしてリンクブログをご覧下さい.

 さて 定植後4~5日でトマト・胡瓜は活着し 自力で成長を始めました。 今日は夏を思わせる暑い日でした 夕方になってこの春2回目の「ストウチュウ」散布をしました。 「ストウチュウ」は6時間とか9時間とかゆっくりと時間をかけて葉に吸収されると言われています、従って散布後すぐに雨に流されたり乾いてしまわない様に、雨の予報のない夕方に散布するのがベストです。
 私の噴霧器は4リッター入りです 自宅で アルカリイオン水(無ければ水道水で可)を4リッター. 「酢」を16cc. 「糖」を12gr.(事前に半カップ程の水で溶いておくのがベター) 「酎」を20cc. 「葉面散布用液肥」を6cc. を混ぜて 午後4時半頃農園に持って行きました。 (水リッター当たり酢・糖・酎=4cc ・3gr ・5cc の割合です)
 トンネルを開けて 葉の裏が6 表が4の感じで 茎にも実にも全体に丁寧に散布します。 トマト・胡瓜・ナスだけでなく 植えてある全野菜 ホーレン草・小松菜等にも散布しました。 一日中暑い日だったので 野菜達は喉を潤したように葉色がみるみる鮮やかになりました。 4リッターの「ストウチュウ」はまだ半分程残りました 仲間の野菜にも散布し噴霧器を空にして帰りました。(「ストウチュウ」は撒く寸前に調合し、その日の中に使い切って残しません)