
昨日の午後は気温が上がり 農園での外気温は15度でした。
5日前に第2回目の切返しを行った堆肥のその後の経過をチェックしました。
堆肥枠の蓋を開けると熱気が伝わり 温度計を堆肥に指し込むと 見る見る水銀柱は上がり 堆肥3ヶ所の温度計は全て60度をクリアーしました。
堆肥作りのご質問に答えて 私のやり方の要点を書きます。 およそ次ぎの様な考え方に基づき 温度変化を監視してチェックをしています。
「第一段階」: 堆肥材料の中の糖分やタンパク質を 糸状菌(カビ)によって分解させる段階。
糸状菌の活動速度は速く 分解時の呼吸熱により堆肥全体の温度が上昇します。 堆肥温度が30度を超えると 次ぎの段階に入ります。
「第2段階」: 糸状菌が分解出来ない 繊維質等硬い物を 放線菌(カビとバクテリアの中間の菌)によって分解させる段階。
この放線菌が活躍する段階が最も高温になり 堆肥温度は60度を超えます。 落葉堆肥の場合はそんなに温度は上がりませんが ボカシ肥料等を醗酵させていると温度が更に上がり80度を超えることがあります 上がり過ぎると堆肥中のアンモニア分が逃げて 折角の窒素肥料成分が減少するので 60度を目安にして小刻みな切返しをし なだらかな温度推移を維持するように対処しています。
「第3段階」: 放線菌の食べる物が無くなると活動が弱まり温度が下がります。 そうすると放線菌によって分解されて柔らかくなった繊維質等を食べるいろんな細菌(バクテリア)が増えて活動する段階になります。 時間をかけてゆっくりと堆肥が熟成して 温度も徐徐に下がります。
完熟の堆肥が出来上がると 香りが良くなり キノコが生えたりします。
今回の検温で60度を超えたと言うことは この暖冬のお蔭で上記の第2段階に入っていることになります。
無粋な堆肥の写真に代えて 昨日は月齢13日「冬の十三夜の月」を掲載しました。 シルエットに見えるのは こころなしか少し花芽が丸味を帯びて見える農園の桜並木の枝です。
十三夜の月は まだ夕日が残っている時間に出て来ます。 背景の空はまだ明るく 月の出に気付かない間にそっと出てくる感じで それだけ月の形はよりはっきりと見えます。 昔から「十三夜の月」を愛でて来たのが判る気がします。
また秋の月に比べると 冬は空気が澄んでよりはっきりと見えます。 更に 白道と黄道の傾斜の関係から 冬の月は出ると真直ぐ上に上がり 早く空気の綺麗な所に上がるのでよりはっきり見える様に思われます。
折角の「冬の十三夜の月」も素人のコンパクトデジカメの写真ではピンボケになり お月さんには申し訳無く思っています。