水曜日, 3月 30, 2011

長かった3月

 この1ヶ月間は 工事のために農園への立ち入りが禁止され 畑仕事も休んでいました。
 その間に 東北関東の大地震があり くわえて 福島原発の放射能汚染の事態が持ち上がり 多くの方々が被害を受けられました。
 一日も早く 皆様方の心身が癒されますように こころからお祈り申し上げます。

 さて 桜前線が動き 4月の声が聞こえると 菜園の作業も始まります。
 2月にポット蒔きしたトマトの苗は背丈が伸びて 早生トマトは1段花房が開花しました。
 昨年の異常気象による 4月の低温に学び 今年のトマトは スタートを遅らせたのですが この早生種は 予定以上のスピードで生育して 早くも開花しました。
 この早生種はwaka3さん から種を頂戴し 始めて 栽培する中玉トマトです。 
 葉の形が ジャガイモの葉に似ていて その本葉が出始めた頃から 他の常連トマトに比べて抜きん出た生育ぶりでした。

 また 一週間ほど前に 発芽器「愛菜花」に種を蒔いた 「福耳」「伏見甘長シシトウ」「タカの爪トウガラシ」のシシトウ類 3種類も緑の可愛い芽が出ました。
 本葉が3~4枚になったら 10㎝ポットに鉢上げして育苗します。
 全部で20株ほど苗を作っていますが 半分以上の苗は 既に嫁ぎ先が決まっています。
 定植は ゴールデンウイーク明けに ナスなどと一緒に定植する予定にしています。
 いよいよ 菜園も忙しくなってきます。
 先ずは 腰痛持ちにはつらい 土起こしから始まります。 

 彫刻家 佐藤忠良さんは 50年以上もの間 永福町の神田川 近くに 天井の高いアトリエを構えて創作を続けてこられました。
 区内には 既に 杉並区庁舎の玄関に「ジーンズ」を また 区の中央図書館1階には「フードの竜」(竜は女性のお孫さんの名前)の2作品を展示されていました。
 この度 井の頭線 永福町駅の駅舎が改築された機会に その新しい改札口の脇に 新たにこの像が展示されました。 あたかも 人を出迎えるかの様に立っているので 改札を出る人は ハッと その像に気付いて 家路を急ぎます。

 また この機会に 永福町の区民センターで「佐藤忠良パネル展」が開かれました。
 多くの作品写真に並んで 真面目で人間味あふれたお人柄が偲ばれる文章の抜粋が展示されていました。
" 学生から「彫刻を作るコツはなんですか?」と聞かれると 「何時も コツコツだよ」と答えています "と。 そうして天井の高いアトリエで 毎日、朝8時頃から夜8時頃まで粘土と格闘してこられたそうです。
 また 3年間の厳しいシベリアでの抑留生活を振り返って " シベリアで、いろいろな日本人に会ってきて「隣びと」にたいする関心の持ち方が、きっとかわってきたと思うのですよ。これから、生きていたらつきあいたい、と思える男は、どんな人間なのかがわかってきたのだと思います。つまり、その人間の、顔つきだとか、地位や学問とかが問題になるのではなくて、人間の中味が大きな意味を持つようになったのだと思います。 知識と人格がバラバラになっていくのを見る一方で、いわゆる庶民といわれる人のなかに、すぐれた人格を見ることが、たびたびありました。生きて帰ってきたとき、それをそのまま、無意識のうちに作品にしたのだと思います。"

 今朝 98歳でお亡くなりになられた との報を 今 知りました。 
 ご冥福をお祈り申し上げます。 

日曜日, 3月 06, 2011

冬野菜の収穫・薬師寺東京別院

 3月に入ると温かい日差しが嬉しく感じられます。
 種蒔き後 二十日以上 過ぎたトマトの苗も 本葉が5枚になり 12㎝の大型ポットに移しました。

 温かい休日に 相模原にある学校の農園で 小学校1年生の希望者8家族と一緒に 最後の冬野菜を収穫しました。
 先週は 小学校2年生の11家族が参加して ブロッコリーとホウレンソウの半分を収穫しましたので 今回は 残り半分のホウレンソウと 最後に残った一畝のキャベツの収穫です。
 防寒・防風のトンネルも掛けないで 真冬の露地で育ったホウレンソウは 地面にピッタリと貼り付いて 葉を掴んで引き抜くと 折角の葉が全部ちぎれてしまいます。
 そこで 参加者全員には 工作用のハサミを持って来てもらい 土の中にハサミを差し込み 先ず根の先を切ってから 赤い根元の付いたホウレンソウを 1株ずつ収穫するように指導しました。
 先週の 2年生の時は この指導方針は成功でしたが 1年生では 指の力と ハサミを使うスキルに差があって 土の中で根を切ることに苦労しました。
 1年生から2年生になる1年間に 子供達が成長する早さの具体例を 教えられる結果になりました。
 さて 収穫した ホウレンソウとキャベツは 駕篭に入れて水場に運び 水洗いして芝生に広げて乾かしました。
 乾いたホウレンソウは 小分けにして袋に入れ 半分は 参加者全員が分けて持ち帰り 残りは 学校給食用として学校に届けました。
 どこの家族も 夕餉の食卓は 一日の楽しかった話題と 正真正銘 無農薬有機栽培の新鮮な野菜の味で もりあがったことでしょう。

 友達から情報を得て 五反田にある 薬師寺東京別院で開催されている「薬師寺の文化財保護展」を拝観し 法話と抹茶のサービスを受けてきました。
 東京別院は 山手線五反田駅の東口を出て 徒歩で数分 今時 珍しい石畳の坂道を辿り 池田山の高台の 静かな所に在ります。
 パンフレットによりますと "別院は、檀家や組織を持たない 奈良薬師寺の別院で、450年前に焼失した堂塔の再建を願い、お経による白鳳伽藍復興の関東以北の拠点として、昭和50年より本格的に始動しました。 " とあります。
 今回の展示品は 東京別院の本尊である薬師如来像を含め 仏像が5展。 奈良時代の大般若波羅蜜多経を含め 経典が4展。 及び 薬師寺と縁の深い 平山郁夫さんが奉納された散華原画7展が展示されていました。
 薬師寺は1989年から 保管している仏像などの修復と調査に取り組み その一環として修復された仏像の一つ 鎌倉時代の十一面千手観音菩薩像が 全国初公開で展示されていました。
 この像は「薬師寺破損仏」の一つとして唐櫃に整理されていた仏像断片の中から 関連する部材を選り分け 復原修理をした 三尺余りの木造仏です。
 復原修理ですから 例えば 顔の補作に際しては 鎌倉前期の快慶が作った仏像・鎌倉中期の興福寺食堂の千手観音像・京都三十三間堂の千手観音座像などの顔が参考にされた と解説されています。 また 脇手四十二臂のほかに 千手をイメージ化した板材を取付けたことなども記されています。
 馴染み深い 奈良時代の千手観音像とは ちょっと違った印象を受ける像でした。