土曜日, 7月 26, 2008

今年の甘長シシトウ


 例年 甘長シシトウは6月の下旬から本格的な収穫期に入り 今頃は中休みの時期ですが 今年は生育が大幅に遅れて ここに来て やっと ご覧のような状況になって来ました。
 今年 植えた場所は日当りが悪く 年中で最も日の高いこの時期でも 午前中に日が当るのがせいぜいです。
 隣の稲荷神社の夏祭りも終り これからは日に日に太陽は傾きます。 11月まで取れ続けた昨年のようには参らないでしょう。

 その稲荷神社の夏祭りは 通称「湯の花祭」と言われ 梅雨が明けて厳しい暑さが続く「大暑」の頃に行われます。
 江戸時代の昔 この地に流行した疫病を治める為に 今風に言えば 熱湯消毒を行った名残が神社の夏祭として継承されたもののようです。
 祭は日没後 周りが暗くなる7時に 神社の境内に大きな釜が据えられ 周囲に注連縄を張り廻し 豪快に火を焚いて湯を沸かし 小笹をひたして打ち振り 神楽を奉納します。
 お神楽が終った後 舞台から餅が投げられる昔ながらの夏の夜祭りです。
 古い鎌倉街道に面した この稲荷神社の狭い境内には 屋台の裸電球が灯り 夏休みに入った子供達の黄色い声が夜遅くまで響きます。 


   

火曜日, 7月 22, 2008

ナスの季節


 梅雨明け十日の太陽が照りつけて 連日 最高気温は35℃を越える超真夏日です。
 ナスが植えてある農園は 杉並区の北西端で練馬区との境界線近くです。 気象情報の数字を見ても 東京(気象庁の在る大手町の温度計)と練馬の最高気温は 夏空の日は 2~3℃練馬の方が暑くなります。

 この照りつける太陽が ナスの季節をもたらします。
 3本仕立の主枝の脇枝に 次々に花が咲くと この暑さであっという間に 実が大きくなります。
 先日 マグネシュウム欠乏症で葉が 黄色くなりましたが 2回のストウチュウ撒布時に硫酸マグネシュウムの粉末をリッター当り8グラム添加したら 症状は治まり いい花も咲いています。
 写真のナスは 今この1本の木から収穫したものです。 ナス紺のピカピカした色をデジカメに撮ろうと 角度を変えたり 絞りを 開いたり絞ったりしながら 夕焼けの空で赤色を補ったり 試行錯誤しました。

 この調子で実がなりますと ナスは生り疲れが起こり その時に ナスの強剪定をします。
 強剪定は 3本仕立ての各枝を 元の葉を1枚だけ残して切り詰め 同時に マルチを捲って畝の両肩を掘り 根も切って堆肥と窒素分を多めにした肥料を埋めて戻します。
 ナスの再生を促すためには 真夏の高温を必要とするので 実の生っている枝を切り落とすのは もったいない気もしますが 強剪定は出来るだけ7月中に終えるようにしています。

木曜日, 7月 17, 2008

大型トウガラシ


 梅雨明け十日の太陽を思わせる暑さで この大型トウガラシ「福耳」も生長が早くなりました。
 頭書 この「福耳」の枝の仕立ては 一本仕立てのつもりでいましたが 丁度一番果が生る頃 数日見ない間に一本仕立てのチャンスを逸し 実が生ると 枝を切り捨てるのが忍び難くなってしまいました。
 その様な経緯から 現在は 2本仕立マガイの姿になっていて 見た目で弱い方の枝を切っては 混み合わないような配慮をしています。 それでも けっこう枝葉が茂り 背も高くなって 隣のナスに追い付かんばかりの勢いです。 また 白い花もたくさん咲いていて 外観は「万願寺唐辛子」に似ていますが こちらは多産系トウガラシ種の様です。

 右の写真でご覧の通り一度の収穫で 形のいい実が20個ほど 目方も600grを越える様になりました。 これだけ取れますと 自家製の「青トウガラシ味噌」を作る単位になります。
 昨年 梅雨明けの猛暑の頃に 農園仲間の方から この「青トウガラシ味噌」を頂き ピリッとしたトウガラシの程好い辛さと 味噌のさっぱりした味は 特に暑い夏には 炊き立てのご飯や 冷奴に乗せても また 焼いた食パンにも合い すぐにトリコになりました。
 その「青トウガラシ味噌」を作るために この「福耳」のタネを3月早々に蒔いた次第です。

 教えて頂いた「青トウガラシ味噌」の作り方に 若干の好みを加えたレシピは次の通りです :
 トウガラシ 20本ほど ヘタを取って2つ割にして ワタとタネを取り除き フードプロセッサーにかけ易い大きさに切って 数回に分けてフードプロセッサーでミジンに切る(ドロドロになるほど回し過ぎないこと)。
 フライパンにオリーブオイルを敷き 鷹の爪を入れて辛味を出させて取り出す。(暑くなってトウガラシが辛くなれば不要)
 ミジンにしたトウガラシを入れ サット炒め(炒め過ぎないこと) 味を付けた味噌を加えて 木ベラで混ぜ合わせながら 煮詰めていく。(水分を飛ばしシッカリと煮詰める) 
 なお 味付け味噌は 味噌(20%減塩)100~120grほど 砂糖と蜂蜜を大さじ1杯半ほど 味醂を大さじ3~4杯(味付けと味噌をゆるめる働きがあります、足り無い時は酒を加える) 粉末のダシの素を適宜加えて事前に混ぜ合わせておきます。 使う味噌によっては甘味料等も巾があります。 好みに応じて調整して下さい。
 また これから暑さと畑の乾燥が進むとトウガラシ自体が辛くなります。 またトウガラシの辛味の好みは巾があり 私は辛味には弱いが この「青トウガラシ味噌」を教えて下さった方は辛党で 畑に「福耳」の他に もう1種類の辛味の強いトウガラシを植えていて 本格的に 2種類のトウガラシをブレンドすることで辛味を調整しておられます。
 
 なお 出来上がった「青トウガラシ味噌」は冷蔵庫で保管すると1週間や十日は充分に持ちます。

土曜日, 7月 12, 2008

ナスのマグネシュウム欠乏症


 ナスの大きい葉の所々に 急に 黄色い斑点が現れてきました。 マグネシュウム欠乏症の典型的な症状です。 
 この畑は 新らしく開園された所に在ります。 従って 連作障害も 出ないだろうと思って ナスを定植した結果がこうでした。

 従来から ナスを定植する前の元肥は マグネシュウム欠乏症のことを考慮に入れて マグネシュウム分を有効成分として含んだ肥料を入れています。
 今回も 従来と変わらない施肥をおこなったにもかかわらず この様な欠乏症が出てしまいました。
 考えられる原因は 新開農園のために 土壌中に出来るだけ多くの有機物を投入すべく 牛糞ベースのミックス堆肥を多く使いました。 その結果 カリが土壌中に増え 拮抗作用によってマグネシュウムが吸収され難くなっているのかも知れません。

 この対策には ストウチュウの中に硫酸マグネシュウムを溶かし込んで 葉面散布によって葉からマグネシュウム分を直接吸収させる方法を採っています。
 その詳細につきましては 06年7月1日付け 「拡大ストウチュウ」をクリックしてご参照下さい。   

火曜日, 7月 08, 2008

中継ぎ役「つるなしインゲン」


 家庭菜園を始めた頃 初心者向けの野菜として「インゲン」が推奨され 教えられるままに「つるありモロッコインゲン」のタネを買ってきました。
 5月のGW明けに 3メートル畝に1袋全部を蒔き 本葉が出始めると あっという間に 猛烈な勢いで蔓が伸び あわてて青竹を買って支柱を建てる始末でした。
 梅雨明け前には収穫が始まり 以降約1ヶ月 毎日 辟易する程の収穫がありました。 とりわけ真夏の太陽が照り付ける中での収穫作業は あの「綿つみの重労働」を思わせる過酷なものであった と今だに脳裏に焼き付いています。
 そのような想い出もあり「インゲン」は つるなし種を選ぶようになりました。

 写真の「つるなしインゲン」は5月の中旬に ホウレン草や小松菜など春蒔きの葉物野菜が終った後や 畑の隅のちょっとした空地に マルチの切れ端を被せて そこにタネを蒔いたものです。
 8月に入ると 朝夕の涼しい時間帯に 少しづつ秋野菜を植える畑の準備に入ります。
 それまでの間の中継ぎ役としては 短い在圃期間で 手間もかからず 病気にも罹り難い この「つるなしインゲン」は便利な作物です。    

木曜日, 7月 03, 2008

15年目の人参


2月23日付のブログ「タネの保存」に書いた 15年経過した古い人参のタネを これも4月19日付の「新しい開墾畑」に蒔きました。

「人参は芽が出れば 半分出来た様なもの」と言われる程 揃って芽が出るのは難しい野菜です。 取り分け 古い種を 開墾したての畑に蒔いたのですから 条件的には厳しいとは承知の上でした。
 たっぷりと水を蒔いた土に ペレット種を1.5cm間隔で筋蒔きし 不織布のベタ掛けをして 更に保温トンネル掛けました。 途中 土が乾いていたら ベタ掛けの上から水を蒔いて保湿に努めました。 それでも 発芽するのには10日以上かかりました。
 発芽は 古い種の割には 比較的揃っていました。 本葉が2枚になった頃に第1回の間引きをし 本葉が6~7枚の時に2回目の間引きと土寄せをして 株をシッカリと安定させました。
 5月の羽根を持ったアブラムシは 難物ですから 防虫網のトンネルの中で育てました。

 6月に入り 防虫網のトンネルを外すと 人参は 大きく 逞しくなりました。
 右の写真は 6月中旬頃の姿です。 開墾農園ゆえの過保護で チッソ分が効き過ぎている様に見えます。
 葉は立派だが 肝心の土の中はどうなのでしょう? あのコチコチの土では 根は素直に伸びず まともな人参になれないのでは? ネマトーダが付いて筋だらけの人参では? 等々 気になっていました。

 播種後 丁度120日目になった昨日 周辺部の 抜き易い株を10本ばかり 試しに抜いてみました。
 結果はまずまずで 予想以上でした。 1本だけに 数個のネマトーダの玉が見られましたが 全般にはキレイな根をしていました。 また 軽い二又の根は2本だけで 開墾地の固い土も 強いドリリング能力で 真直ぐに地中に伸びて行っ様です。 さすがは根菜 小松菜等の根との違いを見ました。
 農園の洗い場で 土を落し 休憩所のテーブルに置きました。 折から 西日が人参の肌を照らし 15年を経て日の目を見た人参が 輝いて見えました。