木曜日, 8月 27, 2009

唐辛子の季節


 8月は 暑いさなかに 夏野菜の跡片付けと 秋野菜の準備作業が一緒に重なります 畑仕事の最も厳しい月です。
 一方 収穫は 右の写真でご覧の通り色気が無く 一人気を吐く唐辛子類の独占状態が続いています。

 8月に入ってから穫れだした 2回目の胡瓜のは わずかな数の胡瓜を生らせるだけで精一杯  春胡瓜に比べると 蔓の出も少なく 花も小振です。
 此の頃の 胡瓜の姿は 暑さと虫食いで 気息奄々 見るも哀れです 写真に撮るのも気がひけました。


 これにひきかえて 唐辛子の "福耳"と "伏見甘長"は「吾が季節」とばかり青々と繁っています。
 背丈も 人の顔の辺りまで高くなり 花が次々と咲いて 写真でご覧の通り鈴生りに実が生っています。

 "福耳" はこの暑さで 辛味が増して来ました。
 収穫した "福耳" で早速 例の唐辛子味噌を作りました。 辛味が程よく付いてきて 暑い時期の食欲増進(陰の声:これ以上 増進の必要はない)にうってつけの 唐辛子味噌になりました。
 

土曜日, 8月 22, 2009

サツマイモの空中栽培


昔と 言いましても 昭和の時代のことです 今の飽食の時代では 考えられませんが サツマイモの蔓を食べて ヒモジサをしのいだことがありました。
 サツマイモの蔓は 梅雨が明けると猛烈な勢いで伸びます 芽を摘めば摘むほど 更に 蔓ははびこります。

 この蔓のお陰で 命を救われたこともありました。
 それは もう数日で 戦争が終わる 暑い夏の日でした。 疎開先の淡路島で 曲がりくねった海岸沿いの道を 木炭を燃料にした乗合バスが 煙を吐きながら走っていました。 突然 猛烈な爆音と同時に カチカチカチと機銃掃射の音がすぐ近くで聞こえました。 日本の近海まで接近した空母から飛び立った あのグラマン艦載機 一機に狙われていたのです。
 一回目の攻撃の後 グラマンは 一旦 姿を消しました。 バスは大木の陰に急停車して 我々乗客10人程は急いでバスを降り 必死に走って グラマンに目を付けられている銀色車体のバスから遠ざかり 身を隠す物陰を探しました。
 間もなく 空中で 反転したグラマンの爆音が 再び聞こえて来ました。 周りは 物陰一つなく ただ なだらかに海の向かって傾斜したサツマイモ畑が続くばかりです。 夏の太陽は照り付け サツマイモの葉はピカピカ光って サツマイモ畑は静かな海面の様です。
 咄嗟に 乗客達は バラバラに散らばって イモ畑の畝の間に身を伏せ 耳を両掌で押さえ 目を瞑って 無心で待ちました。
 後で知った事ですが グラマンF4F戦闘機のニックネームはWildcatです 野良猫の叫び声さながら 恐ろしい急降下爆音と同時に 機銃掃射音が聞こえ そして過ぎました。 後には あの夏のけだるさだけが残りました。
 この第2回の急降下で グラマンの操縦者は サツマイモの蔓の陰の我々を 見つけることが出来なかったのです。

 さて この春 隣の畑の一畝に サツマイモが芽挿しされました。
 そのそばには ナスやトマト等の夏野菜が植えられています。 芽挿しした方は 当初から支柱を建ててネットを張り 蔓を絡ませる 所謂 サツマイモの空中栽培の設計図を お持ちのようでした。
 最近 狭い農園では 小さいカボチャや 小玉西瓜の空中栽培が流行っていますが サツマイモの空中栽培は 始めて見ました。 胡瓜の様にヒゲ蔓を持たないサツマイモにとって ネット登りは得意でありませんが それでも 写真でご覧の通り 返された蔓は手助けを得ながら ネットをよじ登っています。
 こうすることで 葉は一日中夏の太陽を受け 土の中では サツマイモが太っていることでしょう。

 暑い真昼時に銀座で所用があり 涼しい地下鉄を乗り継いで出かけました。 
 銀座松屋デパートで 熊田千佳慕展が開かれていたので 見て来ました。 おりから夏休みも追い込みに入り 小さなお子さん連れの方々で 大変な盛況でした。
 会場では 花や野菜 昆虫や絵本など 数多くの細密画を見せていただきました。 その中に 8月7日付けの このブログでアップしました 胡瓜の雌花が そっくりの姿で描かれているのを見つけました。
 今回の熊田展は 99歳の白寿展として 8月12日から8月24日まで開催されますが 熊田さんは 開会の翌日 8月13日に 急逝されました。
 ご冥福を お祈り申し上げます。

日曜日, 8月 16, 2009

ドライトマトを作る

 スッキリとした夏らしい夏を待っている間に 日が短くなりました。
 日の入りは19:00から18:30へと 30分以上早くなっています。 更に 太陽の角度が低くなった分 暗くなりかけると 急スピードで夕日は沈んでしまいます。
 秋野菜の準備のために 涼しくなってから 農園に出たのでは まとまった作業が終わらないうちに 手許が暗くなります。

 子供の頃 夏休みの楽しみの一つであった海水浴も お盆が過ぎるとクラゲが多くなって 泳ぎに行けず 夏休みが終わったようでがっかりしたものです。
 今年の夏は そのお盆が過ぎてから やっと夏らしい安定した晴天が続いています。 異常気象と言わざるをえないでしょう。

 そのようなことで 待ちに待たされた この夏最初のドライトマト作りが やっと出来ました。
 今年も 昨年同様中玉トマト「フルティカ」を使いました。
 「フルティカ」はそのまま食べても美味しいので 売れ残って 野菜室に貯まることはなく ドライトマト用として60個ほどを別枠でリザーブして この日を待っていました。
 「フルティカ」はミニトマトと比べて 大きくて 肉厚ですから その分熱風乾燥に時間をかけました。
 写真はオーブン皿に クッキングシートを敷き 横半分に切った「フルティカ」をびっしりと並べて 切り口に 軽く塩とオリーブオイルを掛けて うちのガスオーブンで110℃ 時間は2時間 熱風乾燥して ガスを止めたままオーブン内に一晩おいたものです。 乾燥によって個々のトマトが小さくなり こうしてみるとトマト間が かなり空いて見えます。
 今年のドライトマトは このオーブン皿2枚分だけです。
 幸い 一日中強い太陽が照り 乾燥カゴに並べたトマトは 順調な仕上がりになりました。
 なお ドライトマトの詳しい記事は H17年7月28日付け「ミニで作るドライトマト」をクリックしてご覧下さい。 
(追記)
 コメントのお答えにも書きましたが、このドライトマトは ミニトマトが消費し切れず 大量に貯まった際の 保存方法の一つです。 手間を掛ける評価は それぞれの方の好みによると思います。    

水曜日, 8月 12, 2009

放任胡瓜 その後


 前回に引き続いて 放任栽培をしている胡瓜の写真です。

 春に植える胡瓜「夏すずみ」は 雌花の咲き方や 子蔓の出方には 決まった法則があります。 その法則を理解した上で 花芽や蔓を剪定しています。(詳細は '06年5月23日付け「胡瓜の蔓の管理」をクリックするとご覧いただけます。)
 理屈っぽくなりますが 4月20日頃定植しすると 約1ヶ月後から収穫が始まります そして梅雨明け後 せいぜい7月一杯の2ヶ月間が まともな胡瓜の収穫期間です。 その期間中に 最大限の収穫数をあげる剪定をしている次第です。

 しかし 7月に入ってから定植した 写真の胡瓜は 春の「夏すずみ」の後 秋野菜の定植が始まるまでの ほんの一月間が 胡瓜の収穫期間です。 従って マラソンでは無く 短距離走法で 始めから飛ばしています。 あまりにも混み合った蔓以外は 剪定も何も無く 胡瓜のなるがまま放任しています。
 花芽は最初から実を生らせ 脇から出る子蔓もそのまま伸ばしています。 その結果 掲載した写真は 2株の株元ですが ご覧の通り多くの実が下がって見えます。
 春の胡瓜では この様な低い位置では見ることが無い眺めになっています。 

金曜日, 8月 07, 2009

秋野菜へシフト

伊豆の東岸では 毎年8月に入ると 伊東按針祭を始め あちこちの海岸で花火大会があり 大変混雑します。
 その時期を避けて 今週始めの丸3日間 伊豆の山荘に行き 暫くブログも休ませていただきました。
 滞在中に 静岡県も梅雨明け宣言があり 青空が覗くツキに恵まれました。
 山荘では日中の気温は高くても 海を渡って来る風は ヒートアイランドを吹く都会の風とは全く違います。 家の窓を 風が下から上に抜ける方向に開けると 心地よい風が通り抜けて 滞在中 一度もエアコンのスイッチを入れたことはありませんでした。
 何時もの事乍ら 3日間は 長雨で伸びた苔を剥がしたり 徒長した枝を切り落としたり 雑草を抜いたりと 菜園での農作業と変わり映えのない働きで 骨休めと言うことにはなりませんでした。

 さて 5月26日付け「中学生の植えたトマト」で紹介しました ミニトマト「アイコ」は成功裡に推移し 真っ赤な「アイコ」が五千個も穫れ 大変好評でした。(標題名をクリックすると 5/26のブログがご覧になれます。)
 ふだん学校の昼食で お皿に付けたミニトマトは 相当数の食べ残しがあるのに この「アイコ」は全校生で たったの2個しか食べ残しが無かったそうです。
 完熟の穫れたてトマトの美味しさは さることながら 生徒さん達の この「アイコ」に対する「俺らがトマト」の気持が 何よりの要因だとの 給食の先生の見解です。
 「アイコ」人気に乗って その後は 秋の学校祭(新渡戸祭)で皆に食べていただく 極早生のブロッコリーを育てることになりました。
 上の写真は 7月23日に 今度は短大の学生さんが蒔いた 秋野菜ブロッコリーの苗です。
 全部で45ポット 本葉が出揃って先ずは一安心です。
 8月の末には プランターに定植して 11月初めの新渡戸祭を目指します。


 次の写真は 学校の野菜に負けないように おらが菜園の 8月穫りの胡瓜です。
 定植後 半月 今のところは順調に育っています。 過湿度と過乾燥が代る代る短期間に押し寄せるこの暑い時期は 自根の胡瓜にとっては厳しい環境です。
 今までも あまりいい実績は残っていませんが 今年は 比較的 脇枝の出もよく ご覧の通りあちこちで いい雌花も咲き始めました。 春植えの胡瓜の場合は 株元から5〜6段の脇芽も花芽も全て摘み取ってしまいますが この夏植え胡瓜の場合は「先の百より 今の五十」が欲しいので 蔓の剪定はしないで 放任です。
 もう数日経てば 久し振りに 素直な 穫れたて胡瓜が戴けるでしょう。