月曜日, 1月 28, 2008

トンネルの中で



大寒に入ってからは 東京23区の西部に位置するこの辺りでも 朝の最低気温は氷点下の日が続いています。
 先日は二年振りで雪も降り 一瞬ですが 農園の雪化粧も見られました。

 写真の一畝は 10月30日に 昨秋の最終の種蒔きをした カラシナ・ホーレンソウ・小松菜の現在の様子です。
 霜除けを兼ねたネットのトンネルを掛けてありますので 雪の被害も皆無でしたし ホーレンソウの株張りも良くなって来ました。 小松菜とカラシナは もう収穫の出来る段階になっています。
 2月15日の期限内には 何とか収穫を終えられそうです。

 この区民農園は2月15日の契約期限をもって閉鎖されて 自動車専用道路になる予定です。
 全区画数450を越す 区内最大規模の区民農園が 無くなるのみならず 玉川上水をとりまく貴重な自然がまた破壊され 人の力では元に戻せない 永遠の彼方に消え去ることになります。
 また このブログでも幾度か取り上げましたが 今から350年も昔に 沿道の農民が鋤鍬持参での奉仕よって開削され その時の姿が残っているこの辺りの玉川上水は「人類が共有すべき普遍的な価値を持つ遺跡や自然」(世界遺産の定義) にも値するものだと思います。
 最近のニュースですが。 ここの玉川上水のずっと下流の新宿御苑辺りでは かっては 流れていた玉川上水を埋め立て跡形も無くし 道路にしました。 今度は その近くを機械で掘り「玉川上水・内藤新宿分水」と名付けて 人が住めなくなった新宿の町の新たな顔として売り出そうと 新宿区長陣頭で旗揚げしたそうです。 
 同じ東京都で 方や350年も残って来た玉川上水の自然を破壊し その一方で俄作りの玉川上水を作ろうとする 人の愚行が真面目顔で行われようとしています。 経済競争こそを金科玉条とわきまえて来た この世相が入っているトンネルの出口こそ 探さねばなりません。
 

水曜日, 1月 23, 2008

杉並公会堂



 朝から雪が降り始め 農園は二年振りで淡い雪化粧をしました。
 10月末に播種したホウレンソウと小松菜・カラシナには 霜除けのトンネルを掛けてあるので この程度の雪では大きな被害は無いでしょう。 ターサイはこの時期には土にピッタリと貼付いていて雪の下でも平気でしょう。 スティックセニョールやプチヴェールの類を除いて その他の冬野菜は全て片付けが終わっていますので 比較的悠然と 久し振りに見る雪の舞を眺めていました。
 
 さて 本格的なコンサートホールとしてリニューアルオープンした杉並公会堂を 先日詳しく案内して頂ける機会を得 とりわけ ホールの音響についてのお話と実演には興味を持ちました。
 旧杉並公会堂は昭和32年に開館した当時「東洋一の文化の殿堂」と呼ばれる多目的ホールでした。 私も映画や講演会 時には区民農園の説明会などにも度々訪れました。
 その旧公会堂は平成15年に取り壊され 一年半前の平成18年6月に新しい公会堂に生まれ変わりました。
 大ホールは音響がいいことから 日本フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズホールとなり 毎月のように日本フィルの生演奏が手軽に聴けるようになりました。
 このホールは長四角のシューボックス型コンサートホールで ホールの音響設計はサントリーホールと同じ永田音響設計です。 ここもステージの後ろに座席があって 1・2階席と合わせ 1190席です。
 
 所謂クラシック音楽を聴く時に ホールの音が「いい」一つの指標として「最適残響時間」(500Hzの音が60dB減衰するのに要する時間)が 2秒前後と言われています。 杉並公会堂は 1.9 秒で設計されているそうです。
 写真は当日 我々見学者の為に 公会堂の職員2名がステージで生演奏を聴かせて下さった時の映像です。 撮影は 前から6列目 左から6番目に席を取り 前席の背もたれにデジカメを載せて撮影ました。
 演奏はポピュラーな曲を2曲聴かせてもらいましたが 何時も聴いている音に比べると 音が響き過ぎているように感じました。
 後ほど 案内して下さった方に質問したところ 答えは「ホールの設計は聴衆が入っている時の残響時間が1.9秒になるように設計されています。 今日のように聴衆がほとんど入っていない時の残響時間は2.1秒を超えているのではないでしょうか?」と 聴衆の衣服等によって音が吸収されるために 残響音に違いが出る との説明でした。
  数字的には 10% ほど残響時間が違うだけで どのように音が 聴く人の耳に感じるのかを 体験出来たのは幸いでした。   

 このホールで音のいいのは正面2階席の一列目と 言うことです。しかし 一列目は目の前の手すりが目障りなので二列目の席が良さそうです。
 早速2月の 日フィルコンサートにはその席をネット予約でゲットしておきました。
 当日この席のモーツァルトとハイドンは どんな音なのか 今から楽しみにしています。 
  (明後日から 3日ほど ブログを休ませて頂きます。)

日曜日, 1月 20, 2008

プチヴェール



 プチヴェールがやっと写真に撮れる段階になりました。
 農園仲間3人と苗を共同購入して 8月25日過ぎの同じ頃に定植しました。 その中の一人は12月の中頃から収穫していましたし もう一人も12月中には収穫を始めています。 その2人に比べて 陽当たりが良くないハンデキャップがあるとは言え あまりにも脇芽の出るのが遅いので 育て方のマニュアルを確かめたりしました。 見比べてみますと 株丈も茎の太さもそう見劣りはしませんが 葉の大きさが少し小さいように見受けられます。
 プチヴェールは青汁のケールと芽キャベツの交配種で 新しい野菜です。 葉はケールの葉を小振りにした形を引き継いでいますが 脇芽の付くピッチは芽キャベツの2倍以上に開いています。 双方の株丈が変らないとすると 1株当たりのプチベールの収穫数は芽キャベツの半分と言う計算になり 今後の品種改良が待たれます。

 写真の下の方には数個の収穫した跡が残っています。
 脇芽が3〜5センチになればむしり取って収穫しますので この株も7〜8個は収穫適期になっています。
 食べ方は 茎に付いている部分が硬いので ここに十字の切り目を入れて 塩茹ですると色が良くなります そのまま或はマヨネーズでも付けて食べます。 また プチヴェールを二つ割りにして塩茹でし フライパンでベーコンを焼いて油を出し プチヴェールを入れてサット炒め合わせると美味しいです。
 ケールの葉を引き継いでいますので「青汁の栄養がそのまま食べられる」のが何よりのキャッチフレーズです。
 
 脇芽が見えて来ると 芽キャベツと同様にその葉は伐り落として脇芽に日が当たる様にします。
 先にも述べました仲間二人がプチヴェールを収穫している間 やむを得ませんのでその伐り落とした葉を持って帰って 青汁ジュースを飲んでいました。
 ジュースの作り方はケールと同じにしています。 ケールは葉が大きいので一枚ですみますが プチヴェールの葉は小さいので二枚使います。 二枚の葉をジューサーに入れ バナナ一個の皮を剥いて3〜4切れにして入れ 牛乳200ccと好みで蜂蜜を加えてジューサーを回し プチヴェールの葉がジュース状になったらコップ二個に分けて戴いています。 

 

水曜日, 1月 16, 2008

ブロッコリーの側枝花蕾


 何事も地球温暖化の影響と考えがちですが どうでしょうか?
 ご覧の通りブロッコリーの側枝花蕾も 葉も 例年とは少し様子が違います。
 普通 1月の側枝花蕾の大きさはゴルフボールか握り拳ほどで 色は赤味かかった黒っぽい色をしています。 

 このブロッコリーは 7月下旬に種を蒔き 8月中旬にここに定植 10月中頃に頂上花蕾を収穫しました。 その後ほぼひと月毎に側枝花蕾を収穫して 写真の側枝花蕾は3まわり目の収穫になります。
 この大きな側枝花蕾は300grもあって頂上花蕾並の大きさです。 また 色も濃いグリーン色で この霜の降りる時期とは思えない色です。
 さらに 今頃にしてはまともな葉が付いています。 毎年餌が少なくなると ヒヨドリやムクドリが集団で農園にやって来て 大騒ぎしながらブロッコリーの葉をあっという間に 葉脈だけをを残して食べてしまいます。 今年は彼等の御馳走は充分にあるのでしょうか? テレビでも放映されていますが 里に下りて来る熊の数も少ないそうです。

 今日はこのブロッコリーを使って「ブロッコリーのスパゲッティ」を作りました。
 トッピングに飾るブロッコリーは固めであげて ソースにするブロッコリーは柔らかく塩茹でし ブロッコリーを潰した柔らかいソースにしました。(側枝の茎も皮を剥いて柔らかく茹でると結構美味しいです)
 最後に すりおろしたパルミジャーノをたっぷりふって戴きました。
 
 

月曜日, 1月 14, 2008

梅の開花


 春の香りがほのかにします。

 昨秋 庭の梅の木を剪定した際に 切り落とされた枝の中に 花芽の付いた枝がありました。
 ふっくらとした花芽を見ると そのまま剪定屑として捨てるのはかわいそうに思え 居間の壷にさしておきました。
 大晦日の片付けで 手に取って見ますとその蕾は白く色付いていますし 枝の肌も活き活きしています。
 急いで 松と竹を求めて お正月の松竹梅にしました。
 お正月の間は居間の暖房が効いていましたので 日に日に蕾は膨らんで 数日前から開花し始めました。(写真は手持で室内撮影しましたので お見苦しくなりました) 
 この梅は「白加賀」と言う品種で 花と実の両用種です。 花の色は薄い桃色をしていて 枝にびっしりと花を咲かせる種類です。
 この居間の伐り枝では 花はちらほらですし 色も白っぽく華やかさに欠けています しかし 花の姿や香りは一人前です。 
 横を通る度に ほっとした気分になります。

 部屋の外は 先日の雨を境に 空気が入れ替わって普通の冬に戻り 西風も吹いて寒くなりました。
 農園では 外葉で包まれたポンチョ姿の白菜も残り少なくなりましたので 全部穫って白菜畑の片付けをしてきました。 小振りであった今年の白菜も 少しは目方がついて4キロほどになっていました。
 持ち帰った白菜は 新聞紙にすっぽりと包んで 家の北側に立てて置いてあります。
 そのうちの1株は 天気が良くなって日が差すと 4つに割って2〜3時間日に当ててから塩漬けするつもりです。 4〜5日後には ユズとタカの爪と昆布がほのかにきいた みずみずしい白菜漬が戴けます。
 
  
  

金曜日, 1月 11, 2008

根も甘くなったホウレンソウ



 農園では お正月用ホウレンソウの種蒔きは 10月12日が限界だと言われています。
 しかし 昨秋も暖かい日が多かったので 10月15日に蒔いたホウレンソウでもお正月に間に合いました。 今日は そのホウレンソウの2回目の収穫をしました。 
 農園の洗い場で 水洗いしたホウレンソウを積み上げると おりから冬の木もれ日がさしてきて ホウレンソウの根際の赤さが目を惹きました。

 収穫した野菜を持って帰宅すると 何よりも先にホウレンソウをさっと茹でます。
 取れたての野菜の美味しさを体験出来る 家庭菜園の特権を最大限満喫しようとの思いからです。
 夏のホウレンソウは1ヶ月で収穫出来ますが 冬は2ヶ月以上もかかります。 その分栄養分は2倍から3倍あって味が良く 葉も2倍以上の厚みがあり株がしっかりしています。
 また ホウレンソウを密植栽培してひょろひょろしたのと 株間を5cmほど離してがっしりした緑色の濃いホウレンソウを食べ比べた記録があります。 その記録によりますと「誰の舌にも同じ様に感ずるほどの顕著な差」があったそうです。
 今日のホウレンソウも 前回よりも日が経った分 株がシッカリして 更に美味しくなっていました。 とりわけ赤い根の部分が甘味を増していました。

 今日収穫したホウレンソウは 昨秋 第3弾の種蒔きをした分ですが ホウレンソウではその後 10月30日に蒔いた第4弾があります。 この第4弾は 現在 まだ本葉が4〜5枚で 草丈は10センチそこそこです。
 早速 保温用のフィルムトンネルを掛けないと 2月15日の農園返却期限には間に合いそうにありません。   

水曜日, 1月 09, 2008

スズナ スズシロ



 
 たまたま同じ日に収穫した スズナとスズシロはじっくり太って美味しくなっていました。

 このスズナは 10月7日 1m 巾の畝に 横向き 25cm 間隔で2筋 蒔いたものです。
 本葉が3~4枚になった時に 株間3~4cmに間引き(引き抜かないで ハサミで切り取る)して 中耕と化成肥料をパラパラ撒いて 株がぐらつかない様に土寄せしました。 種蒔き以降は ずっと防虫網トンネルの中で育てています。
 播種後2ヶ月ほど経った12月の初旬には 白い小カブが1列にびっしりと並んで見えるようになります。 ゴルフ球ほどの小カブを 1株おきに間引きながら収穫すると 次に残った株が大きくなり 中カブで収穫できます。 今回の収穫で残ったカブは更に大きくなって収穫出来ます。
 この品種(耐病ひかり)は 寒い時期でも結構 肥大しますので 小カブから大カブまで2ヶ月近くの間 収穫が楽しめます。
 
 大きなスズシロは これが最後の1本になった聖護院大根です。
 昨秋は 例年よりも10日ほど遅れて種を蒔きました。 農園ではヨトウムシの大発生がありましたが 厳重な防虫網トンネルの中で育てましたので 全株順調に育ち12月の中旬から必要の都度収穫してきた最後の大根です。 根は煮物にしますと柔らかくて美味しいし 穫りたての葉は一度茹でてから 刻んで炒めかつおぶしをたっぷり加えると栄養満点の箸休めになります。

 もう一種類の小さなカブは「辛味の大根」と言われて種を頂き スズナと同じ日に同じ畝に1筋撒いたものです。
 名前は大根と聞きましたが 葉の形はカブです。 カブにしては発育が遅く 実は硬質です。
 大根おろしに混ぜるとピリッと辛味がありますし すりおろしてソバつゆに入れるとワサビとはまた違った味わいのある小カブです。

月曜日, 1月 07, 2008

ジャンボメロン・七草粥



アメリカに住んでいる二軒の親戚から お正月の贈り物が届きました。
 一軒からは昨年と同じグレープフルーツでしたが もう一軒からはオレンジが一箱と メロンと書かれたもう一箱が送られてきました。 メロンの字に「間違いでは?」と思いながら箱を開けると写真のジャンボメロンが二個入っていました。
 同じく四国の伊予から送られてきたMサイズのミカン(写真 右下)と見比べると メロンの大きさがお判り頂けると思います。 目方は 2.5kg で小玉西瓜ほどの重さです。
 早速切ってみますと 皮は西瓜よりも薄く簡単に剥け 果肉は薄い緑がかかった白色で  3.5cm ほどのタップリした厚さがあります。 メロンの香りがして 甘味は少ないがさっぱりした味です 生ハムと一緒にルッコラを添えて たっぷりと戴きました。


 正月明けの畑では ホーレン草・小松菜・ターサイ・春菊・からし菜 等々冬の葉物野菜が 最高に美味しくなっています。
 これも今が一番美味しい九条ネギを添えて差し上げると 皆さんに大変喜こんでいただけます。
 今朝は七草粥の日 古い和歌にも「君がため 春の野に出でて若菜採む わがころも手に雪は降りつつ」と歌われています。 我が国では 雪の降るこの時期の葉物野菜は昔から重宝がられていたようです。
 また 七草粥としては 平安時代には宮廷の儀式として食べるようになり さらに 江戸時代には五節句の一つに「七草の節句」が定められて 更に広く普及したようですが 儀式で無くても 食べて美味しく 暖まって胃にも優しく 冬場の野菜不足による食バランスを改善するためにも この時期の理に適った食べ物だと言えます。
 

木曜日, 1月 03, 2008

あけまして おめでとうございます



 山荘のベランダから見ますと お正月の朝日は大島の三原山の右から昇ってきます。 
  この 大自然を大切にしたいものです。 

 昨年 テレビの気象解説でお馴染みの高田さんの講演会「地球の温暖化について」を聞きに行きました。 そのお話は「今は死語になりつつある ”もったいない もったいない” を実践すべき時です。」と結ばれました。
 先ず 身の回りから気を付けねば と思います。

 霜が融けて泥濘む農園に3日振りに行きました。 冬の野菜達は相変わらず元気な表情で 挨拶を贈ってくれました。 今年も 野菜とのお付合いを軸に この「菜園ブログ」を続けて参りたい と願っています。
 かわりませず宜しくお願い申し上げます。