土曜日, 8月 20, 2005

唐辛子物語


唐辛子は 色・形・大きさ・辛さ・風味それぞれ世界中に無数の種類があって 淘汰されることなく受け継がれて その地方の特産品になっているように思う。 その「唐辛子物語」の一つをご紹介したい。

 35年以上も前のことだが ボーキサイト(アルミニュウムの原鉱石)開発の仕事で 西アフリカのギニアとガーナに約3ヶ月間滞在した。 仕事が仕事だけに 都会とは縁がなく アンツーカー色の台地が無限に広がっているギニアの奥地で過ごした。
 宿舎は その地方で権力を持っている酋長さんの屋敷内に建っている 土で出来た円形のゲストハウスで生活をした。 食事はテーブルの真中に数枚の大皿が並べられて それぞれの皿に 日本ではお目にかかったことがない現地の料理が山盛りにされて 各自が取皿に取り分けて頂くスタイルである。
 その中の一皿に"しし唐"のような外観の青い唐辛子が料理の周りに飾られ 給仕さんが「これは大変ホットですよ」注意された。 好奇心から一本を摘んで前歯でそっと噛んだ 一瞬 口から刺激が波紋となって全身に伝わって 体中の毛穴が全部開いていく感じがした。 食事のあいだじゅう口の痺れは残って折角の料理も味わえなかった。 以後 食事の度に 大皿に置かれたその"しし唐まがい"は 食べ物の対象ではなく ただの飾り物になってしまった。

 もともと唐辛子の辛さは苦手だが 香辛料の一つとしては欠かせない物なので うちの菜園でも2〜3年に1度の割合で日本の"タカの爪"を2株づつ植えてきた。 今年は その年を迎えて 唐辛子先進国の韓国産唐辛子を植えてみることにした。
 韓国では「薬食同源」の思想から 体によいもの(薬となるもの)の一つとして唐辛子が位置付けされているので 唐辛子の種類も多い。 従って ただ辛いだけではなく旨味を含んでいる。 韓国特産の調味料である"ヤンニョムジャン"や"コチュジャン" それから"白菜キムチ"にしても唐辛子の旨味を引き出しているように思える。
 その様な旨味を含んだ唐辛子を試してみょうと 韓国種の中でも辛さランクは中位 赤色の奇麗な品種を選び 3月中に種を播き 5月の連休明けに2株を定植した。 真夏日が続く今頃になって 長さが20cmほどの立派な実が やっと奇麗な赤色に色付き始めた。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「唐辛子物語」面白く読みました。世界中にはいろんな唐辛子があるのですね。私も辛いのは苦手です。

匿名 さんのコメント...

世界各地を廻られたご経験があるようですね♪
羨ましい限りです。私は子供の頃に探検小説でアフリカやアマゾン、チベットなどを空想しただけなのです(笑)
ギニアでの食卓の様子思わず吹き出しました!

M. Sasagawa さんのコメント...

kimama様:
 わざわざコメントを頂き有り難う御座居ます。 
 ギニアの酋長さん宅での食事のエピソードを一つ。
 料理が大皿に盛って運ばれて来ると、どの皿もハエのトッピング料理に見える程ハエがすごいんです。 我々日本人は互いに顔を見合わせて手を出しません、現地の人がスプーンで料理を取り、ハエの停まっていない料理が現れると、日本人は一斉にその部分を穴状に掘るので周囲が崩れます、すると料理を取る手が一斉にストップします。 
 現地の人のハエに対する考え方は、ハエの数が多いので汚い所に停まったハエが料理に停まる確率は極めて低いので気にし無いと考える様です。

匿名 さんのコメント...

昨日、見た時はエラーになっていましたが今日は見れました。
笹川さんもいろんな体験が豊富ですね。暑いところも寒いところも辛い料理は好まれているようですね。昔は冷蔵庫がなかったので保存や臭い消しに胡椒が好まれたのでしょうか?日本は其の点、温暖な気候だし海も近いので塩や発酵ものが多用されたのでしょうか?新鮮な刺身、ワサビ等も恵まれた地形、気候が生んだ産物なのでしょうね。
カレーも今は日本人の好きな食べ物の第1位になっていますがこれもそんな古い歴史があるものではありませんね・・・
去年、スーパーで東南アジア産の辛い唐辛子の鉢植えを買い乾燥させて保存して辛し高菜に使っていますがこれは少しでも本当に辛いですが美味しいものです。そんな僕も辛いものは大好きです。

M. Sasagawa さんのコメント...

モンカー様: 
 ブログの表示が不具合で申し訳ありませんでした。私のブログはグーグルを使っていますが、グーグルが最近手を広げ過ぎたせいか、込み合って接続が悪い事が起こっています、ご容赦願います。
 辛味の成分カプサイシンは特に発刊作用があり、夏場には有効な調味料ですね。 友人の中には、本当に辛いのが好きな方も居られますが、私の対辛さランクは低い方だと思っています。