土曜日, 1月 31, 2009

この時期の農作業


 この時期は 野菜の変化も少なく 収穫以外には これと言った農作業もありません。 そのうえに 西風が寒く つい 農園への足が遠のきます。 
  せめて 収穫期に入った葉物野菜に ストウチュウでも と小松菜を始め ホウレンソウやカラシナなどに ストウチュウを撒きました。
 夏場の暑い夕方に 胡瓜や茄子にストウチュウを撒くと 葉はヴィヴィッドな反応を示します 今時の葉物野菜の反応は控え目ですが それでも いきいきとして嬉しそうにみえます。 写真の手前で光っている葉はホウレンソウで その向こうはベンリナ その奥で一段高く 葉色の濃いのは小松菜です。

 ところが 思いもかけない農作業が発生しました。
 余ったストウチュウ液を かけようと  ソラマメのトンネルを開けて見ると まるまると太って 緑色に光り輝くアブラムシが ソラマメの全身にべっとりと着いていました。
 今まで この時期のソラマメにアブラムシが着くことはありません。
 定植後すぐに 防虫網をしっかり掛けておきましたし まず 荒れ地であった この新農園には アブラムシは居ない と思い込んでいました。 雑草にアブラムシが着いていたのでしょうか? 寒い冬の わずか1ヶ月足らずの間に起こった 予想外の出来事に 驚きました。 
 本来 農薬は使わない方針ですが このアブラムシは指ですり潰したり 筆で払い落とす程度では到底およびそうもありません。 また ソラマメの収穫時期までには まだ3ヶ月以上も時間があります。 この時点で中途半端な駆除をして 実が着いた頃に農薬を使わざるを得なくなる事態は避けたい。 この際は やむをえませんので 農薬を使って徹底的に駆除することにしました。

 アブラムシには 多くのいい薬が開発されていますが 一回目は アブラムシ専用の薬「アドマイヤー」を2,000倍に薄め 展着剤にアプローチBIを添加して 小型のハンドスプレーを使って勢いよく噴射させて アブラムシを洗い落とすようにしました。
 その2日後の点検では 葉脇の隙間やアブラムシの屍骸の塊の中で まだ生き残っているのを確認しました。 二回目の薬剤は 合ピレ剤の「アディオン」を2,000倍に薄めて散布しました。
 アブラムシがべったりと着いている写真は 撮る気になりませんが アブラムシの影がなくなり 奇麗になったソラマメの写真をアップしました。
 しばらく 注意深く観察する必要は有りそうです。

日曜日, 1月 25, 2009

元旦草


福寿草の異名は「元旦草」と言うのだそうです。
 明日は 旧暦の元旦です 庭に降りて 一年振りで福寿草を覗いてみました。
 我が家の庭は 植木を大きくし過ぎていますので 陽当たりが悪く 毎年 福寿草の開花は他所の庭に比べると遅れています。
 それでも地球温暖化のお陰か? ありました 名前の通り 元旦には蕾の先がほころんでいます。
 芽は全部で9個ですが 贔屓目でしょうか 昨年よりは面積が少し広がっているように見えます。
 やはり 季節は動いています。

同じく庭の一角にクリスマスローズが地植えしてあります。
 根元に被っている落葉を 除いてみると こちらも立派な蕾が並んでいました。
 このクリスマスローズは もう何年も前から此所の古顔として 相変わらずのオールドファッションで咲きます。 最近は クリスマスローズのブームで 新品種が次々と開発され この庭にも 毎年 ニューファッションを纏った新人が 颯爽と 新しい鉢に植えられて登場します。 それでも 貫禄負けしないで頑張っている姿は頼もしいです。
 

 今日の午後は風もなく 過ごし易い日でした。
 農園も休日の午後になると 人の姿が あちこちで見られます。
 この開墾地農園で 種を蒔いた冬野菜が ぼちぼちと収穫期に入ってきたからです。
 今日は ご覧の小松菜とチジミ葉カラシナを収穫してきました。
 この時期の葉物野菜は 葉の色が濃くて 厚みが倍以上あります。 見るからに栄養満点です 早速 夕食に戴きました。
 年が明けて初めての小松菜でしたが 柔らかく 甘味が増して 冬野菜の最高の時期になったと 満足しました。
 

月曜日, 1月 19, 2009

「大寒」なのに


24節季の最後 一年で最も寒い「大寒」の入りを明日にひかえて 今日の日本列島は各地で ここ十年間の平均を大幅に上回る暖かな一日になりました。
 東京では日中の気温が15℃を越えて 4月上旬 桜の花が開く頃の暖かさです。
 昨夜 雨をもたらした気圧の谷が通過して 日本海を 発達しながら 東に進む低気圧に 南の風が吹き込む形になったために「大寒」を飛び越えて一気に春の空気になりました。
 しかし この陽気も今日限り 明日からはまた冷たい北風が吹いて寒くなる との予報です。

 さて 暮れに「冬咲きオキザリス」と名札が付いた苗を買い 一鉢に3株 植えしました。
 昨夜の雨は 日出の頃には上がって オキザリスは朝日を受けた所から次々に花を開き 鉢いっぱいに 鮮やかな色を盛り上げました。
 ここら辺りだけは 蜜蜂が飛び回りそうな 春の雰囲気です。
 オキザリスは 陽当たりを充分に確保して 乾かし気味にすると 病気や虫にも罹り難い丈夫な花だそうです。 株分けによって どんどんと増える強生も持ち合わせているとのこと この時期には珍しい 華やかな咲きっぷりも魅力があります 増やせるものなら増やしてみたい花です。
 

先日 尺八と箏について お話を伺いながら 演奏を聴きました。 
 昨年3月には 大宮八幡の清涼殿で 生の雅楽を見聞し ブログにも掲載しました。
 我々の幼年時代には これら日本の音楽や楽器は 神国日本を信じ込ますために強要される様な雰囲気がありましたので 遊び心の余裕をもっては 馴染みにくいものがありました。
 今回 お話を伺うと もともと尺八は普化宗(禅宗)の吹禅として使われたものが 江戸時代に虚無僧が行脚で吹くようになった。 虚無僧が全国を行脚する間に それぞれの虚無僧によって 同じ曲も少しづづ変わって吹かれることで 一つの曲が 普化宗の寺の数だけ(約150)のバリエーションが伝承された。 その後 黒澤琴古が出て それを36曲にまとめたのが 琴古流本曲とし 今日に残っている。 とのことでした。 
 今回その琴古流本曲の中の一曲を聴かせてもらったのですが 演奏者は「皆様には失礼ですが、演奏中 私に見えているものは 御仏だけです。」とおっしゃっていました。 こうして演奏をお聴きしていると なるほど 尺八の音楽は宗教音楽だと思いました。
 西洋音楽の譜面通りに正確な音で演奏する最近の尺八とは また 違った尺八を聴かせていただきました。 

火曜日, 1月 13, 2009

寒さに負けない野菜 その2


 お正月を挟んで 20日間ほど 冬晴で 冷たい空っ風の吹く日が続きました。
 この間 小松菜とホウレンソウの入っている この防虫網トンネルは 一度も開けることはなく 従って 何1つ世話もしないでほったらかしでした。
 それでも 久し振りに 雨が降ると 地面に貼付いていたホウレンソウも 一息ついた様子です。  
 ご覧の通り 葉もつやつやと輝いて 奥の小松菜に引けを取らなくなっています。
 この時期のホウレンソウはまったく手がかからず 虫も病気も気にすることがありません。 せめて 収穫の前に 一度ぐらいはストウチュウを散布して 一段と葉の状態を良くしたいと思っています。


こちらのスティクセニョールも しばらくご無沙汰している間に 黄色い花が咲きそうになっていました。
 この寒さにも負けずに 次々と脇芽が上がって来ます 全く元気なものです。 茎を15センチほど付けて摘み取ると 嵩がたかくて すぐにレジ袋が満杯になりました。
 スティクセニョールは茎が柔らかく 美味しいので この時期は緑色の食材として重宝しています。

 この隣にある西洋ネギも収穫して帰り 今日は ジャガイモとじっくりバター炒めをして 具沢山のスープにしました。 
 西洋ネギはジャガイモとの相性がよく 寒い時に温かいスープは とりわけ美味しく戴きました。 

木曜日, 1月 08, 2009

寒さに負けない冬野菜


 暮れから半月近く お正月をはさんで 雨の降らない冬晴が続いています。
 杉並区や練馬区の朝の最低気温は 気象庁の在る大手町と比べると 3℃近く低く 氷点下の日が度々ありました。
 開墾畑の葉物野菜は この冬の天候のもとで逞しく育っていました。

 小松菜は 別名「冬菜」と呼ばれ 冬の寒さに強い野菜です。
 写真の小松菜は種蒔き後 2ヶ月経って 葉は厚みが出て 色も濃くなりました 寒さに耐えることによって甘味が蓄積され 筋が柔らかくなって 年中で最高に美味しい時期になっています。
 また 暖かい時に比べると 生育期間が2倍以上かかっています それだけ土の中の養分を吸収し ミネラル等栄養分も豊富です。
 ぼつぼつ 大きな株から収穫出来そうです。


もう一つ 寒さに強いカキナも 柔らかそうな新芽が次々に出ています 新春の贈り物の風です。
 葉脇毎に伸びてくる新芽は お互いに競り合って窮屈そうですし 陽当たりも悪くなっていますので 比較的 大きな脇芽を間引き穫りしました。
 写真は 初物の晴姿にしては ピンボケで カキナには申し訳ありませんが 思ったよりも早く早春の香りを戴くことが出来ました。

 農園に出た序でに 堆肥の状況をチェックしました。
 堆肥は 2日前に 2回目の切り返しをしました。 切り返しの要領は 1回目と同様ですが 2回目からは米糠の添加はしません 水の散布量も 1回目よりは少なく 約10リッター程度でした。
 堆肥枠の蓋を開けると 熱気が感じられ 表面を覆っているブルーシートに素手が触れると ヤケドしそうな熱さを感じました。 早速温度計を中央に差し込んで計りました。 場所によって差はありますが 50〜55℃を示しています 風呂の湯が40℃強であることを思えば 素手がヤケドしそうに熱く感じたのも うなずけます。
 2日目で 55℃まで上がっているのは 順調に醗酵している証拠だと ホッとしました。

土曜日, 1月 03, 2009

年を越した 白菜

  あけまして おめでとうございます。
 皆様 よいお正月を お迎えのこととお慶び申し上げます。
 東京の三が日は 真っ青な冬空が広がり 空っ風が吹き続きました。

 屈指の豪雪地方 上越に転勤した初めてのお正月も ちょうど このような冬型の天気だったのを 思い出します。
  防寒具で身をかためて海辺に出ると 雪混じりの猛烈な海風が吹き付けて 何かに掴まらないと立って居れません。 容赦なく吹いてくる風の方角を見透かすと 海から一面に湯気が立っているのが見えます。 あたかも風呂蓋を開いた時に湯気が立つのと同じ様に 日本海全体が巨大な風呂桶になったような眺めです。
 大陸から吹き出した 乾燥した寒風が 日本の沿岸に沿って北上する対馬暖流の上を吹き通る際 その温度差が 風呂場と湯との差に近くなる理屈でしょう。
 上越地方には この湯気が雪雲になって押し寄せ 来る日も来る日も雪混じりの どんよりした天気が続きます。 テレビの天気予報が「東京は○日続きのカラカラ天気です」と言うのを聞くと 来た当座は 複雑な気持ちになっていました

 さて暮れに落葉を拾った公園の ケヤキの梢も裸になって 澄んだ青空で震えています。 ケヤキの間から見える北西方向の低い空には 上信越の山々で細かく千切られたあの雪雲の名残が ときどき 白い綿雲に変身して 飛んで来ては消えています。

畑の白菜は この「王将」1株になりました。 
 白菜は 毎年早生種の「無双」と 中生種の「王将」を作っています。
 黄芯が流行の昨今 この2種類は共に白芯で 一昔前の白菜ですが 黄芯白菜の葉質は 比較的ごわごわしたコワイ感じに対して「無双」や「王将」の葉質は柔らかく 芯に近い葉は生で食べても甘味があって美味しいです。 
 クリスマスの頃になると 空っ風が強くなり 白菜の外葉は乾燥してボロボロになります 葉の剥ぎ取られるのを防ぐために 外葉を集めて防風のポンチョにします。
 写真でご覧の通り この白菜は例年よりも まともなポンチョを羽織っています。
 
 タキイの説明書には「白菜はもともと直根性の作物なので、移植栽培よりは直播栽培に向いています。直播栽培では根が切られないので、直根がしっかり伸び、順調な生育でよく太るとともに、芯腐れなどの生理障害の発生が少なくなります。ただし、播種から発芽揃いまでの管理をしっかりしないと失敗します」と書かれています。
 昨秋は ポット育苗に適当な場所が無かったので 止むなく 初めて 直播栽培にトライしてみました。 問題は「播種から発芽揃いまで」よりも 発芽後 双葉から本葉が3〜4枚までの間に起こりました。 防虫ネットで厳重なトンネル管理をしたにもかかわらず コオロギやその他の害虫に芯を食われ 消えてしまいました。 ひどいのは 1穴に8粒の種を蒔き 100%発芽したにもかかわらず 残ったのは かろうじて1本と言う惨めなのもありました。
 問題はありましたが その後は 説明書の通り順調な生育で 外葉も大きく育ち 何よりも収穫時に引き抜いた根は 移植栽培では見られない 立派な直根が伸びていたことです。
 白菜の直播栽培は諦めないで 取り組むべき課題の様です。 

月曜日, 12月 29, 2008

堆肥作り

 今年も最後の作業は 堆肥作りです。

不特定多数の人が 次々と土地を借りて使う菜園では 土作りが最重点課題になります。
 従って 家庭菜園を初めた時から 良質な堆肥をたっぷりと土に入れることを心がけてきました。
 そのために 手に入り易い公園の落葉と 古畳を解体して得られる藁切れを主材料とし 近くのJAや米屋で買える乾燥鶏糞と米糠を加えて 「バイムフード」を醗酵促進剤にして 短期間で良質な醗酵堆肥を作って来ました。
 当初は 仲間3名で1m×2mの大きな枠をコンパネで作り その中で堆肥作りをしました。

 今年は 1名分で畑も少なくなり 車での持ち運びも簡単にできる 小さな組み立て式の木枠を新設しました。
 写真のブルーシートを掛けた木枠がそれです。 大きさは 内寸の1辺が約75cmの立方です。 
 更に当初から変わった点は 世の中が乾燥鶏糞から醗酵済鶏糞に変わり JAでは乾燥鶏糞の入手が困難になりました 醗酵済では堆肥の醗酵を促す窒素源にはなりませんので鶏糞を堆肥作りに混入す事を止めました。
 また 藁を芯にした畳を敷いた家が減り 古畳の入手も困難になりましたので 落葉と米糠と促進剤だけで堆肥作りをしています。
 それぞれの割合は ケヤキの落葉を南京袋にギュウギュウ詰めにして2袋と クヌギの落葉を同じく1袋半に 米糠20kg バイムフード0.5kgです。
 積み込みの仕方は 下記の切り返し作業手順と同じです。
 3日目には醗酵温度は45℃に上昇 順調に醗酵が進んでいることを確認しました。 その後4〜5日で次の行程の切り返しをする予定でしたが 雨の日と強風の日が続いた為に 積み込み後10日目に第1回の切り返しをしました。(中心部の温度は60℃前後でした) 

さて 堆肥切返しの目的は 醗酵熱によって蒸発した水分の補給と コチコチに固まった落葉の塊をバラして 好気性菌のために空気を入れること 菌のエサになる米糠を加えることと 枠の中央と端 上と下 の醗酵を均一にするため 全落葉の場所替えを 一気に行うことです。
 3メートル角のブルーシートを広げ 木枠内の上部から順次取り出します。 その過程で 乾燥の進んでいる部分には ジョロで水を掛けながら 枠内の落葉を全部取り出します。
 積み込みは 取り出しとは逆に 上にあったものを 一番下に 端にあった物を中央に入れて 水を掛けながら(押え付け無いで)表面を均し 落葉に米糠をまぶします。 落葉を大箕で山盛り2杯入れると まぶした米糠に 醗酵素を一掴み 均一に振り掛けます これで一段の積込みが完成です。(途中で乾いている所には こまめに水を掛けます)
 この作業を6回繰り返すと 落葉は全部枠に納まり 枠の7〜8分目の高さ迄なります。 落葉の最上部にはゴザを広げて覆い 水分の発散を防ぎます。 写真は 5段目迄積み込んだところです。
 
 自然状態で 落葉が腐葉土になるには一年程かかりますが この醗酵素を使った促成落葉堆肥は 4〜5回の切り返しで完熟堆肥になり 3月からの夏野菜の土作りに 間に合います。
 更に この堆肥には 米糠を醗酵させた 良質の有機肥料分がしっかり 含まれていますので トマト・胡瓜・ナス 等の元肥として 過リン酸石灰を混ぜ込んで施します。 秋にトマトや胡瓜の片付けをする時に トマトや胡瓜の根が堆肥を入れた所に密集して張り巡らされている のを見てもその効果の程が解ります。
 また この落葉堆肥を作るポイントの一つに落葉を濡らす水の量があります。 解説書によると『水を掛けた落葉を強く握り 指の間から水が滲み出る程度』とありますが 落葉自体の水分の状態が均一ではないので 経験で習うより法は無いようです。

 この一年間も 有意義なお交わりを頂き 有り難う御座居ました。 来年も 変わりませず 宜しくお願い致します。 
 どうぞ 佳いお年をお迎えになられますよう お祈り申し上げます。